• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

新規な概念「擬似分子内反応」を用いた高効率な合成手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22550043
研究機関高知工科大学

研究代表者

西脇 永敏  高知工科大学, 工学部, 教授 (30237763)

キーワード擬似分子内反応 / 高効率反応 / イミノ化反応 / ビシクロ化反応 / タンデム型反応
研究概要

擬似分子内反応は規な概念でありながら、まだ適用できる基質は少なく、一般的な合成手法であるとは言い難い。そこで、他の基質や試薬を用いて多様な骨格を構築し、本反応の汎用化を図ることを目的として検討を行なった。
基質として、α-ニトロ-δ-ケトニトリルを用いて、ジアミン類との反応を行なった。その結果、室温で即座にイミンを形成することを確認した。通常、ケトンとアミンを混合してもイミンが形成されないことから、本過程は擬似分子内で効率良く進行した結果であると言える。また、この塩を加熱したところ、タンデム型ビシクロ化反応が進行し、複数の官能基を有するジアザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格が合成できることを見出した。本反応は炭素鎖の異なるジアミン類にも適用でき、それぞれ対応するビシクロ化合物に変換できることも明らかにした。
擬似分子内反応の基質に要求される条件は、酸性度の高い水素と官能基を併せ持つことである。このような化合物は分子設計も比較的行なうことができる。そこで、2段階で簡便に調製できるα-ニトロ-δ-ケトエステルを用いて、同様の反応を行なったところ、予想した通りビシクロ化合物に変換することに成功した。この結果より、基質の条件を満たせば、他の基質にも擬似分子内反応の概念を適用することができることを示している。従って、今後、従来法では合成が困難であった多官能化合物を合成するための手法としての幅広い利用が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Bicyclization Involving Pseudo-Intramolecular Imination with Diamines2011

    • 著者名/発表者名
      Nagatoshi Nishiwaki, Shotaro Hirao, Jun Sawayama, Kazuhiko Saigo, and Kazuya Kobiro
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 47 ページ: 4938-4940

  • [学会発表] 擬似分子内反応による多官能化合物の合成2011

    • 著者名/発表者名
      西脇永敏・平尾翔太郎・澤山淳・西郷和彦
    • 学会等名
      第98回有機合成シンポジウム
    • 発表場所
      早稲田国際会議場
    • 年月日
      20111100
  • [学会発表] 擬似分子内イミノ化反応を経由する簡便なジアザビシクロ化合物の合成2011

    • 著者名/発表者名
      平尾翔太郎・小廣和哉・澤山淳・西郷和彦・西脇永敏
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会
    • 発表場所
      神奈川大学
    • 年月日
      2011-03-28

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi