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2010 年度 実績報告書

スルファンニトリル配位子を鍵とする新奇発光性遷移金属錯体の創製と新機能開拓

研究課題

研究課題/領域番号 22550045
研究機関日本大学

研究代表者

藤井 孝宜  日本大学, 生産工学部, 教授 (00283060)

キーワード有機化学 / 有機元素化学 / 錯体化学 / 光発光 / 硫黄-窒素化学
研究概要

平成22年度は,S≡N結合とS=NH結合を備え持つndsaH配位子と両端にS≡N結合を有するndsdsd配位子を用いて,i)発色団として用いられるジイミンやフェニルピリジン誘導体からなる混合配位子型Pt(II)錯体を合成し,その発光特性を調べた。また,ii)[Pd(ndsdsd)_2]X_2錯体の発光特性に関す研究においては0発光機構を明らかにする目的で,Pd錯体の各溶媒に対する溶解度を高めるため,ndsdsd配位子のフェニル基を4-t-ブチルフェニル基に置換した新規配位子の合成を試みた。
i)に関しては,様々な置換基を有する[Pt(diimine)(ndsa)]X,[Pt(diimine)(ndsdsd)]X_2錯体や[Pt(ppy)(ndsdsd]X錯体(X=Cl,ClO_4)の合成に成功し,いくつかのPt錯体においては0分子構造をX線構造解析により明らかにした。[Pt(diimine)(ndsa)]Xは,室温,ジクロロメタン溶媒中で強く発光した。また,これら錯体の量子収率の計算を行ったところ,13-19%と10%を超える値を示した。さらに,絶対量子収率の計算では,その内部量子収率が4.8-8.5%とこれまでに報告されているσドナー性の強い炭素配位子を用いた錯体と同程度の値が得られた。[Pt(diimine or ppy)(ndsdsd)]X_2錯体は,ガラス状態(メタノール/ジクロロメタン1:1混合溶媒,77K)で強く発光した。また,[Pt(ppy)(ndsdsd)]X錯体は,ジイミン系とは異なり,室温溶液状態でも発光が見られた。ii)に関しては,4-t-ブチルフェニル基を有するスルフィミドとフルオロスルファンニトリルとを塩基存在下で反応させることにより,低い収率ではあるが目的化合物を得ることができた。また,別法として,4-t-ブチルフェニル基を有するN,N-ジトリメチルシリルスルホジイミドとスルフィミドとフルオロスルファンニトリルとを反応させることで,異なる置換基を有するndsdsd配位子の合成についても検討している。これらの配位子については,Pdイオンとの錯化を試み,発光挙動について検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Syntheses and crystal structures of[Cu_3{μ-(NSPh2)N}_2Cl_2]and[Cu_3{μ-(NSPh_2)_2N}_2{(NSPh_2)_2N}_2]Cl_22010

    • 著者名/発表者名
      Takayoshi Fujii
    • 雑誌名

      International Journal of Inorganic Chemistry

      巻: 2010 ページ: ID326568

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Syntheses and crystal structures of [ClPh_2Sn{E(Ph_2SN)_2}](E=CH, N)2010

    • 著者名/発表者名
      Takayoshi Fujii
    • 雑誌名

      Phosphorus, Sulfur and Silicon and the Related Elements

      巻: 185 ページ: 1046-1053

    • 査読あり
  • [学会発表] ビス{ニトリロ[ジ(4-tert-ブチルフェニル)}λ^6-スルファニル}アミドおよびジイミン配位子を用いた新規ヘテロレプティックPt(II)錯体の合成と発光特性2010

    • 著者名/発表者名
      藤井孝宜
    • 学会等名
      第21回基礎有機化学討論会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2010-09-11

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公開日: 2012-07-19  

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