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2011 年度 実績報告書

新規な14族元素配位子を有する遷移金属錯体の創製と反応性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22550051
研究機関東北大学

研究代表者

坂場 裕之  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60162301)

キーワードタングステン錯体 / モリブデン錯体 / ヒドロシラン / Si-H結合活性化 / シリレン錯体 / シラアリル錯体 / 三員環錯体
研究概要

以下に記す新規な14族元素配位子を有する錯体を合成し,それらの構造,動的挙動および反応性について研究した。
1)アセチリド-シリレン錯体とシラプロパルギル錯体に関する研究:アセチリド配位子上の置換基が第一級および第二級アルキル基の新規誘導体を合成し,結晶状態では錯体がアセチリド-シリレン構造を有することをX線結晶構造解析によって確認した。溶液中では,アセチリド-シリレン錯体とシラプロパルギル錯体の平衡混合物となり,置換基が嵩高いほどアセチリド-シリレン錯体の相対安定性が高くなることを明らかにした。また,これらの錯体とアセトンおよびメタノールとの反応を検討し,生成物の構造に及ぼす置換基効果についても明らかにした。
2)ヒドリド(アルケニルシリレン)錯体に関する研究:シリレン配位子上に嵩高い置換基を導入する速度論的安定化によって,塩基の配位していないヒドリド(アルケニルシリレン)タングステン錯体の合成を検討した。各種NMRスペクトルからその生成を確認したが,結晶として単離するには至らなかった。現在,さらに嵩高い置換基を導入した錯体の合成・単離を検討している。
3)金属-ケイ素-窒素三員環錯体に関する研究:前年度のシラアリルモリブデン錯体に関する研究で得られた,モリブデン,ケイ素および窒素からなる三員環構造を有する錯体とメタノールとの反応について研究し,ヒドリドおよびメトキシドの架橋した二核錯体が生成することを見出した。また,このような三員環錯体の汎用性の高い合成法として,アミノヒドロシラン類のSi-H結合活性化による方法を開発し,対応するタングステン錯体の合成にも成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的とする14族元素配位子を有する錯体の合成は全体的にほぼ順調に進んでおり,新しい反応性の解明にもつながっている。

今後の研究の推進方策

アセチリド-シリレン錯体に関連する研究では,対応するゲルマニウム類縁体についても研究し,特異な結合様式を有する含高周期14族元素錯体の構造および反応性に関して比較研究を進める。また,ヒドリド(アルケニルシリレン)錯体については,X線結晶解析による構造決定と反応性の解明を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis, Structure, and Bonding Nature of Ethynediyl-Bridged Bis (silylene) Dinuclear Complexes of Tungsten and Molybdenum2011

    • 著者名/発表者名
      坂場裕之, 他
    • 雑誌名

      Organometallics

      巻: 30 ページ: 4515-4531

    • DOI

      http://www.chem.tohoku.ac.jp/lab/

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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