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2010 年度 実績報告書

糖のアノマー異性を用いた金属錯体の普遍的光学活性制御

研究課題

研究課題/領域番号 22550063
研究機関大阪市立大学

研究代表者

西岡 孝訓  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10275240)

キーワードN-ヘテロ環カルベン / ジアステレオ選択性 / 糖 / ハーフサンドイッチ型錯体 / アノマー / 立体配座
研究概要

側鎖にピコリル基とグルコピラノシル基を有するキレート型糖修飾N-ヘテロ環カルベン(NHC)配位子前駆体、塩化-3-ピコリル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシル)イミダゾリウム、の2つのアノマー異性体[α-pagiH]Clおよび[β-pagiH]Clを合成し、これを用いて金属中心周りに不斉を持つハーフサンドイッチ型錯体[MCp^*Cl(L)]X(M=Rh,Ir,L=α-pagi,β-pagi,X=Cl,PF_6)の生成反応を行い、側鎖のグルコピラノシル基のアノマー異性が錯体の立体配置にどのような影響を及ぼすかを検討した。X線結晶構造解析により、β-pagi配位子を持つロジウムおよびイリジウム錯体の主生成物が、金属中心まわりがRの不斉を持つ構造をとっていることを明らかにした。α-pagi配位子を持つ錯体では、結晶が得られなかったため構造解析はできなかったが、円偏光二色性スペクトルにおいて、β-pagi配位子を持つ錯体と正反対のコットン効果を示すことから、金属中心まわりがSの不斉を持つことがわかった。また、反応生成物の核磁気共鳴スペクトル測定により、α-pagi配位子を持つ錯体ではS体が、β-pagi配位子を持つ錯体ではR体が、主生成物として、それぞれ9:1程度の比でジアステレオ選択的に生成し、さらに、α-pagi配位子を持つ錯体では、グルコピラノシル骨格がスキュー型の構造をとっていることが明らかとなった。また、β-pagi配位子を持つR体は、S体へと異性化する。以上の結果から、NHC配位子に導入したグルコピラノシル基の立体障害により、速度論的にR体が選択的に生成すると考えられる。また、それぞれのジアステレオマーについて分子軌道計算により、S体が熱力学的な安定種であることを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Unprecedented Diastereoselective Generation of Chiral-at-Metal, Half Sandwich Ir(III) and Rh(III) Complexes via Anomeric Isomerism on "Sugar-Coated" N-Heterocyclic Carbene Ligands2011

    • 著者名/発表者名
      Shibata, T. ; Hashimoto, H ; Kinoshita, I. ; Yano, S. ; Nishioka, T.
    • 雑誌名

      Dalton Mransacyions

      巻: 40(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 両親媒性糖修飾N-ヘテロ環カルベン錯体の合成2011

    • 著者名/発表者名
      西岡孝訓・前田友梨・坂井直樹・杉村欣則・加藤学・柴田鉄平・橋本秀樹・木下勇・矢野重信
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会
    • 発表場所
      神奈川大学(神奈川県)
    • 年月日
      2011-03-29

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公開日: 2012-07-19  

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