研究課題
コバルトでは、単核コバルト錯体について正八面体からの歪みが磁気特性に与える影響を調べた。現在偏極中性子回折実験による磁気異方性研究が進行中である。数種の混合原子価三核および六核錯体を単離し、結晶構造と磁気特性を明らかにした。この系では強磁性的相互作用も見出された。二十核コバルト錯体の磁気特性は軌道の寄与が大きく見かけ上反強磁性的であった。ニッケルの系では、六核錯体が強磁性的相互作用を示すが、単分子磁石ではないことや反強磁性的相互作用を示すものも見出され、金属の核数が重要な因子であることが見出された。二十核ニッケル錯体の磁気特性は強磁性的なものであった。ポルフィラジンおよびコロラジンの鉄錯体が中間スピン状態であることを見出した。結晶構造も明らかにした。ルテニウムでは、酢酸ルテニウムやピバル酸ルテニウムの二核にジシアノ銀酸、テトラシアノニッケル酸、オクタシアノタングステン酸を反応させて集積型金属錯体を合成し、磁気特性を調べた。銀塩やニッケル塩との混合金属錯体では弱い反強磁性的相互作用を示すものが得られたが、タングステン塩との反応から得られた錯体の中にはキュリー温度が50 Kを越えるものも見出された。安息香酸ルテニウム二核に長鎖アルキル基を取り付け、これをクロロ架橋で連結した一次元集積型錯体を多数合成した。この系では、長鎖の長さが長くなる程、反強磁性的相互作用が強くなるという興味深い現象を見出した。酢酸ロジウムや酢酸モリブデンの二核の集積型金属錯体について結晶構造を明らかにした。興味深いことに良く似た一次元鎖状構造をとるにも拘らず、ロジウムの系では結晶構造に隙間構造が見出され、窒素ガス吸着現象が観測されたのに対し、モリブデンの系では隙間の無い構造で窒素分子は吸着されないことがわかった。磁気特性は反磁性である。希土類元素の錯体を数種合成し、磁気特性を調べた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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