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2010 年度 実績報告書

薄層電解セルを用いた電位変調電解抽出クロマトグラフィーの創製

研究課題

研究課題/領域番号 22550073
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

吉田 裕美  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40314306)

研究分担者 前田 耕治  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00229303)
キーワード分析科学 / 反応・分離工学 / 電気化学
研究概要

[薄層電解フローセルの作成]本年度は、水相と有機相を薄層にした液液界面電気化学電解セルのフローセルへの改良を試みた。導電性高分子薄膜で被覆したITO硝子電極,有機相含浸薄膜,試料溶液用薄層流路を形成した銀塩化銀電極を積層させたセルを作製した。既知濃度のイオンを含む試料溶液を用いて電極応答性を確認し、特に導電性高分子に着目して電解セルの調整を行った。その結果、電解効率が向上し、90%~100%の範囲内で40秒以内に電解が終了することを確認した。これに関しては、特許を出願した。一方、目的である電解フローセルを実現するためには、水相から有機相への電解効率とともに有機相から水相への電解効率も100%にする必要がある。しかし、実際に作成した電解セルでは、水相よりも有機相の面積が大きいため、一旦有機相に分配した目的イオンが側方拡散し、水相へ100%逆抽出されないことが分かった。これを改善するために水相と有機相の面積が等しい電解セルの作成に取り掛かっている。具体的には、有機シリコン系の高分子を成形することによって一体型の電解セルを作成する。
[フローセルに適した有機薄膜の検討]水相と有機相を薄層にしたフローセルを作製する場合、有機溶媒は、水との相互溶解度が低いこと、取扱いを容易にするため揮発性が低いことが条件となる。現在、試験的に用いているジクロロエタンの代替として、1種類のイオン液体およびイオンセンサーで用いられている9種の溶媒について検討を行った。その結果、安定な電極電位が得られ、且つ高い電流密度を示したものは、長鎖アルキル基またはフェニル基を有する2種のエーテル系溶媒であった。イオン液体および他の溶媒については、電極電位が不安定になるか、高粘度であるために小さな電流密度しか得られず、薄層フローセルの溶媒としては不適であった。今後、選択した溶媒をフローセルに適用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (6件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] Conducting a polymer-coated electrode as a reference/counter electrode in an organic phase and its application to a two-electrode type thin-layer cell for voltammetry at the liquid liquid interface2010

    • 著者名/発表者名
      Y.YOSHIDA, S.YAMAGUCHI, K.MAEDA
    • 学会等名
      2010 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
    • 発表場所
      米国ホノルル
    • 年月日
      20101215-20101220
  • [学会発表] 水相と有機相を薄層にした2電極式電解セルの開発とクーロメトリーへの応用2010

    • 著者名/発表者名
      中村祥太郎、吉田裕美、山口聡士、森田恭朗、前田耕治
    • 学会等名
      第56回ポーラログラフィーおよび電気分析化学討論会
    • 発表場所
      秋田市 秋田大学
    • 年月日
      20101106-20101107
  • [学会発表] 有機相中で参照電極および対極として機能する導電性高分子被覆電極2010

    • 著者名/発表者名
      吉田裕美、山口聡士、中村祥太郎、前田耕治
    • 学会等名
      第56回ポーラログラフィーおよび電気分析化学討論会
    • 発表場所
      秋田市 秋田大学(招待講演)
    • 年月日
      20101106-20101107
  • [学会発表] 水相と有機相を薄層にした2電極式液液系界面電解セルの開発と絶対定量への応用2010

    • 著者名/発表者名
      中村祥太郎、吉田裕美、山口聡士、森田恭朗、前田耕治
    • 学会等名
      日本分析化学会第59年会
    • 発表場所
      仙台市 東北大学
    • 年月日
      20100915-20100917
  • [学会発表] 導電性高分子被覆電極の参照電極および対極としての機能および薄層液液界面電解セルへの応用2010

    • 著者名/発表者名
      吉田裕美、山口聡士、中村祥太郎、前田耕治
    • 学会等名
      第71回分析化学討論会
    • 発表場所
      松江市 島根大学
    • 年月日
      20100515-20100516
  • [学会発表] イオン液体中における導電性高分子被覆電極の電極特性2010

    • 著者名/発表者名
      中村祥太郎、吉田裕美、山口聡士、前田耕治
    • 学会等名
      第71回分析化学討論会
    • 発表場所
      松江市 島根大学
    • 年月日
      20100515-20100516
  • [産業財産権] イオン性物質の絶対定量装置およびイオン性物質の絶対定量法2010

    • 発明者名
      吉田裕美、山口聡、中村祥太郎、森田恭朗、前田耕治
    • 権利者名
      京都工芸繊維大学
    • 産業財産権番号
      特願, 2010-274705
    • 出願年月日
      2010-12-09

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公開日: 2012-07-19  

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