研究課題/領域番号 |
22550081
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
古田 直紀 中央大学, 理工学部, 教授 (90101055)
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研究分担者 |
鈴木 美成 中央大学, 理工学部, 助教 (40469987)
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キーワード | ナノ粒子 / リアルタイムモニタリング / ナノスケール大気粉塵 / 大気粉塵一粒子計測 / ICP直接導入 / スパイク状信号の校正 / 鉛濃度 / 微量元素濃度 |
研究概要 |
【積分時間10msを用いた大気粉塵単一ナノ粒子の測定】 80mのタイゴンチューブを5号館屋上より1階の実験室まで設置し大気粉塵を750ml/minで吸引できるようにした。その一部を250ml/minの速度で取り出し、DMAを用い粒径毎に分け更にAPMを用いて質量毎に分け、特定の比重を持つ大気粉塵を選択した。その後、選択した大気粉塵を損失することなく空気ガスをアルゴンガスに変換するため、ガス交換装置に通しICP-MSに直接導入した。検出されるスパイク状の信号を校正するため、脱溶媒装置を取り付けた超音波ネブライザーにより鉛標準溶液を噴霧して生成したエアロゾルをバイパスよりICP-MSに直接導入した。直径90nmで質量が0.458fgの大気粉塵単一ナノ粒子中の鉛濃度は14~17%であった。30秒間に検出されたスパイク状の信号から鉛全量を求め、鉛の大気粉塵濃度として34.4pg/m^3を算出した。粒径別大気粉塵を13段階に濾紙上に捕集した後、フィルターごと酸分解して求めた鉛全量濃度は26.3pg/m^3であり、2s以内で一致を示した。 【積分時間10msを用いた2.5μm以下の大気粉塵の測定】 DMAとAPMを取り外し、2.5μm以下の大気粉塵(PM2.5)を吸引しサンプリングした。その後、選択した大気粉塵を損失することなく空気ガスをアルゴンガスに変換するため、ガス交換装置に通しICP-MSに直接導入した。検出されるスパイク状の信号を校正するため、脱溶媒装置を取り付けた超音波ネブライザーにより鉛標準溶液を噴霧して生成したエアロゾルをバイパスよりICP-MSに直接導入した。PM2.5の大気粉塵中の鉛平均濃度は3.92ng/m^3であったが、一つ一つの大気粉塵中の鉛濃度は0~2000ng/m^3と大きく変動した。粒径別大気粉塵を3段階に濾紙上に捕集した後、フィルターごと酸分解して求めた鉛全量濃度は9.01ng/m^3であり、2s以内で一致を示した。
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