研究概要 |
【装置の校正】 装置校正のため、超音波ネブライザー(USN)及び脱溶媒装置から導入したエアロゾル状のCrと、標準ガス発生装置から導入したCr(CO)_3ガスの信号強度の比較からUSNの導入効率を正確に求めた。同様にUSNから噴霧されたエアロゾルをシリンジフィルター上に捕集した。これを0.1M HNO_3 10mLを用いて抽出を行い、抽出物の信号強度からPbを含む12元素(Cr,Ti,V,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Sb,Ba,Pb)の導入効率を算出した。標準ガスを用いて算出したUSNのCr導入効率及びフィルター捕集により算出したUSNのCr導入効率は、それぞれ11.1±0.1及び11.6±0.1%と良い一致を示した。同様に、フィルター捕集により算出した導入効率はCr及び検討を行ったその他11元素で良い一致を示した。 【粒径1.0μm以下の大気粉塵のリアルアイムモニタリング】 インパクターを通して粒径く1.0μmのAPMを選定し、その一部を分岐させた。その後、ガス交換器を通してガス分子を空気からArに変換させ、ICPMSに直接導入し、リアルタイム測定を行った。同時にAPMをニトロセルロースフィルター(孔径0.025μm)上に捕集した。測定終了と同時にフィルターを回収し、マイクロ波分解を行った。測定はPbを含む15元素の多元素分析を行った。リアルタイム測定及びフィルター捕集による平均濃度は7元素で良い一致を示したが、残りの8元素では一致しなかった。酸化物の融点及び沸点が低い元素は62-132%と比較的良い回収率を示したが、酸化物の融点及び沸点の高い元素に関しては回収率が50%以下であった。このことから、APMがICPMSのプラズマに導入された際に酸化物として存在している元素が完全に気化されていない可能性が考えられる。
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