研究概要 |
本年度は実験室系in-situX線吸収スペクトル測定装置を製作するため、昨年度X線源とし購入したMOXTEX社製X線管Miniature PSを購入した業者にこのX線源のコントローラーを発注する予定であった。しかし、その業者が今年度からMOXTEX社製品の取り扱いを中止したため、新たにMOXTEX社製品を取り扱っている裳者を選定しX線源コントローラーFTC-200の購入を行った。昨年度と今年度で購入したMOXTEX社製X線管Miniature PSおよびX線源コントローラーFTC-200と高感度X線検出器を用いて実際のill-situ X線吸収スペクトル測定装置の基本配置などの設計を行った。 次に、測定に使用する各種銅(II)錯体を合成するために、9,10,11,12員トリアザ環にペンダント基として3個メチル基を導入した配位子の合成を行った。得られた配位子を用いて各種銅(II)錯体の合成を行った。得られた銅(II)錯体を触媒として用いてリン酸ジエステルの加水分解反応を行い反応速度定数の決定を行った。その結果、メチル基を導入することで銅(II)錯体の触媒能の向上が観測された。 また、合成した各種銅(II)錯体の単結晶化を行った結果、メチル化した9および12員環銅(II)錯体の単結品が得られた、得られた銅(II)錯体の結晶構造解析を行ったところ、これらの銅(II)錯体は歪んだ五配位四角錐型構造を取っており、中心の銅(II)イオンは塩素やシュウ酸で架橋した二核錯体構造を取っていることが明らかとなった。 合成した銅(II)錯体の溶存構造解析を行うために紫外可視吸収スペクトルおよびESRスペクトル測定を行った。その結果、9員環銅(II)錯体は水溶液中で四角錐型構造を取っていることが推定された。
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