研究課題/領域番号 |
22550089
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
大図 章 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (70354876)
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研究分担者 |
鈴木 大輔 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究員 (80535477)
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キーワード | 質量分析器 / イオン源 / イオン化率 / 高周波 / レーザーイオン化 / 表面電離 / 熱電離 / フィラメント |
研究概要 |
平成23年度は、前年度に整備したフィラメントに高周波の印加が可能な表面電離型イオン源を用いて高周波によるイオンの増強試験を実施した。この計測試験に合わせて真空装置及び高周波印加回路の改良を行い、イオン源のイオン量の正確な測定、レーザーによるイオン化率の計測、及び評価を行った。また、年度後半には、表面電離型質量分析器へ本イオン源を設置できるところまで試験を進めることができた。試作したイオン源への高周波印加回路及びイオン計測システムの不具合等があったが、装置の改良・修復等によりほぼ予定通りの計測試験を実施し、来年度以降の表面電離型質量分析器でのイオン化増強試験に着手できる目途をつけることができた。以下に、平成23年度の成果を記す。 ・高周波電場印加によるイオン化率増強試験 フィラメント近傍にレーザー光を入射しフィラメントから蒸発する中性原子のイオン化を促進させ、フイオン源より蒸発するイオン以外の中性原子の量をファラデーカップによる計測で推定することができた。その結果、フィラメントより発生しているイオン個数の10倍以上の中性原子数がフィラメント付近に存在することが分かった。また、高周波印加試験では僅かながらイオン量の増加が確認されたが、フィラメントから発生する試料の蒸発した中性原子のイオンか、または真空容器内の残留ガスのイオンであるかはファラデーカップによる計測では判別することができなかった。 ・表面電離型質量分析器へのイオン源の設置試験 試作した高周波電子衝撃型イオン源を表面電離型質量分析器に設置して、高周波電圧が質量分析器のイオン計測回路に与えるノイズの影響を調査し、その対策を施しノイズを低減させた状態でイオン計測が可能であること確認した。これによって.平成24年度の高周波による質量分析器のイオン増強試験を実施できる見込みが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科学研究費補助金で購入した電子機器以外に非常に古い電子計測器を多用して試験を行っている。平成23年度は、これらの老朽化した計測器等に故障が多発したため、試験の遅延を招いてしまった。特に、夏季の期間は節電のために室温、湿度等が最適に設定できなかったため電子機器の不具合が多く発生した。調査の結果、これらの原因が判明したため適切な対策を施すことができたので、来年度は順調にいけば平成23年度の試験の遅延を取り戻すことができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題で使用する老朽化した電子機器等を適切に管理、操作して研究機関内に本研究課題の目標を達成する。また、得られた成果の迅速な実用化に結び付く成果を得られるよう努める。
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