棒状粒子に球状粒子を混合すると、枯渇作用によって球状粒子が棒状粒子のスメクチック相の層間に分離してスメクチック相を安定化することが理論的に予測されている。このような予測を実証する実験的研究はこれまで報告がなかったが、分子量分布を非常に狭く調製した剛直な棒状高分子であるポリシランと、球状とみなせる多分岐アルカンの混合系において、予測された分離構造が発現することを見出し、この構造形成が分子量 422(炭素数 30)のアルカンで最も顕著に起こる事を発見した。液晶配向膜を用いてこの構造を一方向に配向させ、これをテンプレートに用いて無電解めっきを施す事により金属ナノワイヤーを作製し、可視光ワイヤーグリッド偏光子に応用することを目的に検討を行ったが、層間部分に選択的な金属めっきが起こる構成を完成するには至らなかった。
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