研究概要 |
GO_2を水素ガスで光還元する触媒を見した。[Zn_3M^<III>(OH)-8]^+_2(CO_3^<2->)(M=Ga,Al)をベースとする層状水酸化物半導体を触媒とすることで、これまでCOおよびメタンの生成しか報告されていない本反応で、メタノールを生成した(170nmolh^<-1>g_<cat>^<-1>)。とりわけカチオン層中にCuサイトが含むことで、CO生成が優勢な触媒反応をメタノール選択的にした(68mol%)。水酸基に挟まれた層間が反応場であり、銅に結合した炭酸水素種が中間種と考えられる。Cu^<II>→Cu^Iのサイクルを利用して、メタノールまでの多電子還元が進行したものと推定した。さらにこの触媒を環境調和用途で用いるために、水を触媒的に分解して得た不に素種によりCO_2を還元するフィージビリティを得た。CO_2+H_2Oを同一系で反応させるのは熱力学的に非常に不利なため、水をPt/C触媒で分解し、H^+伝導膜で隔てた別の系中に上記のZn-Cu-Ga触媒を置き、CO_2をメタノールに還元した(5μmolh^<-1>g_<cat>^<-1>,413の)。次年度には、この酸化/還元複合触媒系を完全光反応化する。 水素ガス中でのCO選択光酸化についても触媒を見出した。22nmを中心に均一を粒子径をもつ合成ZnOにCuイオンを吸着させることで、620ppmのCOを10ppm以下にまで選択酸化した。光により生じた電子で還元されたCu^IサイトがO_2を還元し、ZnO表面では水酸基とCOよりギ酸イオン種が生じると考えられる。後者から前者にH^+が移行し、CO_2を生ずるのだろう。銅サイトでは副反応と想定される水は生じず、水酸基が再生したものと推定した。
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