研究課題/領域番号 |
22550117
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
泉 康雄 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50251666)
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キーワード | 二酸化炭素削減 / 光触媒 / 光燃料化 / 層状複水酸化物 / 固体高分子型燃料電池 / 光PROX / 酸化亜鉛 / 銅 |
研究概要 |
22年度にCO_2を水素ガスにより光触媒的還元するZn-Cu-M^<III>-CO_3層状複水酸化物触媒(M^<III>=Ga,Al)を見いだしたが、23年度はM^<III>=Gaの光触媒のメタノール生成速度を改良した。最も効果的だったのは、光触媒層間のCO_3^<2->イオンを[Cu(OH)_4]^<2->イオンに変更することで、CO_2からメタノール合成速度を0.49μmol h^<-1>gcat^<-1>にまで向上させた。この層間銅サイトはCO_3^<2->イオンのように遊離アニオンとしてではなく、カチオン層と脱水縮合したCu(μ-O)_3(OH)種として存在し、層状複水酸化物塩を形成した。この銅サイトが光照射で発生した励起電子をいったんトラップし、CO_2をメタノールにまで順次還元するため電子を受け渡す機構を考えた。対照実験を重ね、層状複水酸化物[塩]が熱励起ではなく、半導体式原理でCO2を還元することも立証した。 層状複水酸化物にCO_2を供給し、高分子電解質膜を経てPt触媒に水素ガスを供給することで固体高分子型燃料電池として発電しつつメタノール合成できることも立証した。さらにこのシステムで、水素ガスから変更してPt触媒で直接水分解し、生じたプロトンと電子により層状複水酸化物でCO_2からメタノール合成されることも示した。 光CO PROX触媒として、紡錘状ZnOに銅イオンを吸着させた光触媒で水素ガス中不純物CO(63Pa)を2.3mPa(0.35ppm)にまで減少させた。ZnO(000-1)面に吸着したCuサイト近傍でCO吸着、O_2活性化機構を提唱した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CO_2光燃料化触媒の設計と開発、水分解による水素生成と組み合わせたCO_2光燃料化のfeasibility、また水素エネルギー社会実現のために必要なCOPROX反応用光触媒の開発とその作用機構についての研究を維合的に実施する計画で、その通りに順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の研究実施計画となるが、CO_2光燃料化触媒では、Zn-Cu-GaおよびZn-Cu-Alの元素組み合わせの他に層状水酸化物を合成することで、更なる高活性化があり得る。また固体高分子聖燃料電池では、水酸化反応も光触媒化することで光のみの駆動で水.とCO_2からメタノールが合成されることを示す。光CO PROXでは、FT-IR,XAFS,DFT計算により分子論的反応機構のより詳細な記述を行なう。
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