研究課題/領域番号 |
22550123
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
秋山 毅 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (20304751)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 膜・集合体 / フラーレン / 分子構造 / 電気化学 |
研究概要 |
本研究では、フラーレン-ジアミン付加体微粒子の反応機構の解明と粒径・形状・組成制御、付加体微粒子およびその集積体の構造と特性の相関の明確化、これらの新材料のデバイス応用を目的としている。 これらのうち、平成24年度は、これまでに得られた知見を基に、 1)フラーレン間の距離を系統的に変化させたフラーレン-ジアミン付加体微粒子の合成と構造評価、2)フラーレン-ジアミン付加体微粒子の可溶化条件の最適化とn型有機半導体材料としての特性評価、3)アミノ基を備えたポルフィリン色素とフラーレンからなる複合粒子の作製と光電気化学素子への応用、4)フラーレン-ジアミン付加体微粒子の生成反応条件に基づく逐次的な超薄膜作製、を中心とした研究を行った。 それぞれ、1)ジアミン鎖長によってフラーレン-ジアミン付加体微粒子中のフラーレン間距離が制御可能であること、2)可溶化されたフラーレン-ジアミン付加体微粒子は、有機薄膜太陽電池を構成するn型有機半導体材料として適用可能であること、3)フラーレン-ジアミン付加体微粒子の生成条件同様に、常温での溶液混合プロセスで、ポルフィリンーフラーレン複合粒子が作成可能であり、この複合粒子が光電変換に応用可能であること、4)簡便な浸漬プロセスによって膜厚が制御されたフラーレン集合体薄膜が形成可能であること、などの成果を得た。それぞれ学会・シンポジウムなどでの報告を行うとともに、学術論文などでも報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の第一の目的である、フラーレンージアミン付加体微粒子の反応機構の解明と、その粒径・形状・組成制御の実現については、ほぼ予定通り研究が進捗している。また、他の目的である付加体微粒子およびその集積体の構造と特性の相関や、各種光電変換素子などへの応用についても、同様にほぼ予定通り研究が進捗している。 フラーレンージアミン付加体微粒子の有機薄膜太陽電池への適用が可能であることは当初計画よりも前倒しで得られた成果である。また、フラーレンージアミン付加体薄膜の浸漬プロセスによる形成については本研究で得られた知見に基づく、当初の計画を上回る成果であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得られてきた知見を基に、より一層のフラーレンージアミン付加体の生成反応機構の解明を進める。特に、透過型電子顕微鏡やX線回折による構造解析を積極的に用いて研究を推進する予定である。本研究で得られるフラーレンージアミン付加体微粒子などの機能や構造の解析については、超分子化学や構造有機化学の観点からのアプローチが重要であり、引き続き連携研究者との共同研究としても実施予定である。 一方、各種デバイスへの応用については、フラーレンージアミン付加体微粒子および関連の材料について、特に有機半導体材料としての特性に注目して研究を推進する。加えて、これまで得られた知見に基づく、新規なフラーレンージアミン付加体製膜手法の開拓と評価を実施する予定である。
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