• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ドナー・アクセプター分子の自己集合による高性能2光子吸収システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22550132
研究機関久留米工業高等専門学校

研究代表者

石井 努  久留米工業高等専門学校, 生物応用化学科, 准教授 (60346856)

キーワード2光子吸収 / ドナー・アクセプター / 自己集合
研究概要

本年度は、昨年度合成した自己集合性ドナー・アクセプター分子「ヘキサアザトリフェニレン・トリフェニルアミン」の2光子吸収特性、及び新規な自己集合性アクセプター分子「ビス(チアジアゾロ)キノキサリン」の合成を遂行した。
ヘキサアザトリフェニレン・トリフェニルアミン系の2光子吸収特性は、Z-Scan法により評価した。自己集合型ヘキサアザトリフェニレン・トリフェニルアミンの2光子吸収断面積の値は数千GMであり、自己集合特性の向上に従いGM値は増大する傾向にあった。更に、非自己集合型分子と比較してGM値は増大しており、2光子吸収特性向上への自己集合の寄与が示唆された。今後は、本ヘキサアザトリフェニレン・トリフェニルアミン系の自己集合様式を改良することで、2光子吸収特性の向上を目指す。
ビス(チアジアゾロ)キノキサリンの合成は、種々の芳香族ジケトンとジアミンとの縮合反応を鍵過程として行った。様々は置換基を有する芳香族ジケトン類を用いることで、種々のビス(チアジアゾロ)キノキサリンの合成に成功した。目的物の精製は、カラムクロマトグラフィー及び分取式高速液体クロマトグラフィーで行った。単離精製した目的物の同定は、各種スペクトル測定(核磁器共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル)及び元素分析により行った。吸収・蛍光スペクトル測定及び質量スペクトル等の結果より、本アクセプター分子が自己集合特性を有し、新規自己集合性ドナー・アクセプター分子の母体としての有用性が示された。来年度は、ドナー部位を導入した新規誘導体を合成し、自己集合特性及び2光子吸収特性の評価を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的化合物である自己集合型2光子吸収色素の合成に成功すると共に、自己集合特性の向上に伴い2光子吸収断面積が増大することが判明しつつある。

今後の研究の推進方策

今後は、2光子吸収特性への自己集合様式の及ぼす影響を検討する必要がある。そこで、J会合及びH会合様式を有する一連の自己集合型2光子吸収色素を合成し、自己集合特性と2光子吸収特性の相関関係を詳細に検討する。すでに合成に成功している自己集合型2光子吸収色素を基に改良を検討し、新規誘導体を合成することで研究を遂行できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Preparation, Spectral Properties, and Electron Affinity of Bis(thiadiazolo)quinoxaline and Bis(thiadiazolo)phenanthroquinoxaline as n-Type Semiconductors2011

    • 著者名/発表者名
      Tsutomu Ishi-i, Taro Nakanishi, Yuuki Teshima, Takeshi Yasuda, Liyuan Han
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: Vol.40, No. 11 ページ: 1252-1253

    • DOI

      DOI:10.1246/cl.2011.1252

    • 査読あり
  • [学会発表] ビス(チアジアゾロ)キノキサリンを基盤とした会合誘起発光システムの構築2012

    • 著者名/発表者名
      守山由里子・池田圭・石井努
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] 自己集合性ヘキサアザトリフェニン2光子吸収色素2012

    • 著者名/発表者名
      石井努・雨森翔悟・岡村知恵・鎌田賢司
    • 学会等名
      第17回高専シンポジウム
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2012-01-28

URL: 

公開日: 2013-06-26   更新日: 2014-07-04  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi