研究概要 |
単一分散・球形特徴を有する塩基性炭酸塩(Y,Eu)(OH)CO3・nH20(n=2-3)微粒子の均一沈殿合成における反応物濃度の影響を調べた。希土類(RE)硝酸塩の濃度が0.02mol/Lを超えると球形微粒子は単一分散性無くなり、凝集体になる。一方、尿素/REのモール比は単一分散・球形微粒子の合成に重要であることが分かった。その比が120以上になると塩基性炭酸塩の球形粒子ではなく、板状炭酸塩粒子が得られる。この研究により、単一分散された球形微粒子が得られる合成条件の範囲を確立した。同じ均一沈殿法を用いた(Gd,Eu>(OH)CO3・nH20(n=2-3)球形微粒子の合成を行い、粒径に及ぼす様々な有機溶媒の影響を調べた。有機溶媒の添加により、塩基性炭酸塩の溶解度が低くなり、より小さい球形粒子が得られることが分かった。調べた有機溶媒(ethylene glycol、1-butanol、1-propanol、2-propanol)の中で1-butanolは最も有効である。有機溶媒の含有量を0vol%から60vol%まであげると平均粒径は小さくなる。有機溶媒の効果により、粒径を50-500nmの広い範囲で制御することが出来た。有機溶媒は組成希土類イオンの同時沈殿を促すことも分かった。有機溶媒の効果で組成の均一性が高くなるため、塩基性炭酸塩前駆体をより低い温度で(800度、通常1000度)仮焼すると均一な組成を有する酸化物球形微粒子が得られる。酸化物蛍光体の性能に及ぼす平均粒径の影響を調べた。粒子が小さくなると粒子内の粒界欠陥の濃度が低くなり、蛍光強度が強くなることが分かった。水熱合成を用い、温度120度とpH~7の条件で新型層状化合物である(Y1-xEux)2(OH)5NO3・nH20(x=0-1)の合成を行い、粒形に及ぼす沈殿剤の影響を調べた。アンモニア水を沈殿剤とした場合産物は六角形のナノ粒子(厚み:約90nm、辺長:約1μm)でしたが、tetra butyl ammonium hydroxide沈殿剤で薄いナノシート(4-9nm)を得た。このナノシートのコロイドを原料とし、高度な[111]結晶配向を有する透明蛍光膜(60nm)を作った。配向の効果て薄膜の蛍光強度は無配向粉体の約4倍であることが分かった。
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