研究概要 |
総括測定方法の開発と光触媒分解技術の処理特性評価に関し、研究を行った。 総括測定方法に関しては、VOC成分が低濃度(各化合物概ね数~数十μg/m^3)で混合する空気試料に関する総括測定を可能とする濃縮および測定方法を開発した。方法の基本的な流れは、吸着剤に対象物質を捕集し、濃縮された加熱脱離ガスを水素炎イオン化検出器で測定し、トルエン換算で濃度表示を行うものである。BTX類(ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン)を対象として模擬ガスを用いた実験により、吸着剤や採取条件等の最適化により、試料空気採取量最大200Lで定量下限0.3μg/m^3まで測定可能であり、また非芳香族化合物が共存する影響を排除するための測定方法として確立した。 次に、初年度の研究において廃プラスチック類中間処理施設でのVOC排出濃度実態、光触媒分解および活性炭吸着からなる排気処理プロセス工程でのVOCの挙動把握から、光触媒反応においてアルデヒド化合物濃度の増加を観測したことを踏まえて、光触媒の流通型模擬試験装置を用いて反応特性を評価した。メタノールおよびエタノールからそれぞれホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが生成する現象を再現した。定量的には、1,500~2,500μg/m^3のアルコール含有ガスを45℃、ガス空間速度SV:500~650h^<-1>で通気することにより、供給濃度に対し0.3~1%相当のアルデヒド化合物が生成することを明らかにした。さらに、空間速度や湿度条件の影響に関し、それらが増すと生成濃度が増加することを把握した。
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