研究概要 |
バイオディーゼル燃料製造の避けることのできない副生物として、ここ数年、グリセリンの商業生産がかなり増大してきた。グリセリンの効果的な利用として、ポリカーボネート原料として使われるグリセロールカーボネート(4一ヒドロキシメチルー2一オキソー1,3一ジオキソラン)のグリセリンからの新しい合成を検討した。グリセリンの、DMF中、80℃、1.0MPaの一酸化炭素を用いた硫黄によって促進されるカルボニル化反応と臭化銅(II)による酸化反応を組み合わせることによって、グリセロールカーボネートを好収率で合成する簡便な方法を開発した。さらに、少し過剰量のグリセリンの、DMF中、20℃、0.1MPaの条件下、一酸化炭素と炭酸カリウムを用いるセレン触媒によるカルボニル化反応と、その後、20℃、0.1 Mpaの条件下、酸素による酸化反応によって、グリセロールカーボネートが好収率で得られた。また、一酸化炭素と酸素、3:1の混合気体中、20℃、0.1MPaの条件下で、グリセロールカーボネートの触媒的な合成が達成された。
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