研究課題/領域番号 |
22550152
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 豪 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20263204)
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研究分担者 |
松村 浩由 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30324809)
溝端 栄一 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90571183)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 中性子線構造解析 / プロスタグランジンD合成酵素 / 反応メカニズムの解明 / 結晶の大型育成 |
研究概要 |
造血器型プロスタグランジン(PG)D合成酵素(H-PGDS)が補酵素グルタチオン(GSH)存在下でアレルギー物質であるPGD2を産生する際、2量体の中心に結合したMg2+はGSHのKm値を約4倍も向上させ、酵素を活性化することが知られている(Nat. Struct. Mol. Biol., 2003)。本研究課題では、ヒト由来H-PGDSの中性子線解析を成功させ、2量体の中心に存在するMg2+によってそれぞれのプロトマーごとに補酵素として結合するGSHのSH基をチオラート化する分子機構を直接観察によって明らかとし、2量体間のヘテロな構造も明らかとして、Mg2+による協奏的な活性化機構も解明することを目的としている。 中性子線解析を成功させるためには、通常 1 mm角以上の高品質で大型の結晶を得る必要があり、高純度サンプルの精製および大型結晶化を繰り返し行った。特に種結晶化による大型化を試みたが、最大で 0.3×0.4×1.1 mmを超える良質で大型の結晶育成には成功しなかった。一方で、以前、ソユーズを使った宇宙実験を試み、ゲルチューブ法を用いた結晶化を試み、Native結晶について1.28Å分解能、阻害剤複合体に関しては1.05Å分解能でのX線回折強度測定に成功している。マキシマムエントロピー(MEM)法による構造精密化を終了し、これまでに見られなかった水和構造について明らかとなった(in preparation)。しかし、活性中心のチオラートは放射光によるX線損傷によって酸化され、本来の活性型の構造ではなかった。 一方、本研究課題を推進する過程で、ゲルを使った結晶核の発生方法や、溶液撹拌技術と組み合わせた大型結晶育成実験などを試み、新たな結晶化方法の開発に成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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