研究概要 |
1. 固相フラグメント縮合法の拡張とマルチコンジュゲートsiRNAの合成 siRNAの5’-末端,3’-末端,中間など複数の位置に機能性分子を結合させたマルチコンジュゲートsiRNAの合成に成功した。siRNAのセンス鎖5’-末端にシグナルペプチド、両方の中間と3’-末端に化学修飾塩基を導入した。 2. マルチコンジュゲートsiRNAの細胞導入効率評価と選択的局在化制御 各種核外輸送シグナル(NES)ペプチドを蛍光ラベル化したsiRNAの様々な位置にコンジュゲートし,細胞への導入効率を評価し、細胞内での所在について共焦点走査型蛍光顕微鏡およびフローサイトメトリーを用いて観察した。 3. マルチコンジュゲートsiRNAのヌクレアーゼ耐性評価 マルチコンジュゲートsiRNAのヌクレアーゼ耐性をヒト血清中で評価し、市販の遺伝子導入剤を用いた場合には、siRNAは速やかに分解されたが、ある種のペプチドを混合するとヌクレアーゼ耐性が著しく向上することを見出した。 4. マルチコンジュゲートsiRNAによる遺伝子サイレンシング マルチコンジュゲートsiRNAを用いてヒト白血病細胞K-562に発現するbcr/abl遺伝子mRNAを標的としたサイレンシング効果を評価したところ、修飾部位によりその活性が大きく影響を受けることを見出した。 5. ペプチド導入剤を用いるマルチコンジュゲートsiRNAの細胞導入効率評価 マルチコンジュゲートsiRNAを核局在化シグナルなどの各種カチオン性ペプチドを用いて細胞へ導入し,最も効率の高いペプチドを探索したところ、大変効果の高いペプチドを見出すことができ、特許出願した。
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