研究概要 |
化学的アプローチによりマルチコンジュゲートsiRNA分子を構築し,遺伝子医薬あるいは遺伝子機能解析ツールとして実用化を目指す。具体的には,siRNAのセンス鎖を核外輸送シグナル(NES)ペプチドとカチオン性ペプチドで同時に修飾し,以下2つの機能を付与することを目指した。 1.化学修飾siRNAの合成と細胞内安定性の増強 申請者等は新規ヌクレオシドをダングリングエンドに組み込むと二重鎖DNA/RNAが強く安定化されることをこれまでの研究で明らかにしている。今回、siRNAの各部位に化学修飾ヌクレオシドを組み込み、その効果をヒト白血病細胞に発現するbcr/abl遺伝子mRNAを標的としたサイレンシング効果により評価した。その結果、センス鎖10,11の位置に化学修飾ヌクレオシドを組みことにより細胞内安定性が増強されることを見出した。 2.化学修飾siRNAとペプチド導入剤と組み合わせた遺伝子サイレンシング法の開発 新規化学修飾ヌクレオシドを組み入れたsiRNAとペプチド導入剤と組み合わせることによりヒト白血病細胞に発現するbcr/abl遺伝子mRNAを標的としたサイレンシング効果を評価した。その結果、新規両親媒性ペプチド導入剤を用いることにより、細胞毒性の低減、細胞内ヌクレアーゼ耐性の増強に成功し、サイレンシング効果も向上することを見出した。
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