研究課題
Li2MnO3及びLi2MnO3-LiCoO2 固溶体正極材の充放電サイクルに伴う構造変化を調べた。測定では、これまでのXRD、高分解能TEM、及び中性子回折に加え、平成25年度はSTEMによる観察も実施した。Li2MnO3、Li2MnO3-LiCoO2 固溶体正極材ともに、充放電サイクルが進むにつれて、粒子表面で、MnサイトにLi原子が挿入する現象が見られた。この現象は、固溶体系で特に多く観測され、Co原子が影響を与えているものと予想できた。Li原子の挿入は充放電条件とも関係し、サイクル回数が増すほど、あるいは充放電の上限電位が上がるほど、より粒子内部まで観察された。一方、Li2MnO3、Li2MnO3-LiCoO2 固溶体正極材ともに、充放電サイクルに伴い、単斜晶構造(C2/m)の他、スピネル構造(Fd-3m)、及び菱面体構造(R-3m)構造の生成・共存が確認できた。Li2MnO3におけるR-3m構造の生成は、充放電に伴う酸素欠損反応が関係していると予想される。しかし、その生成メカニズムの解明には、酸素欠損に関する定量的なデータが必要である。今後、研究代表者らは、中性子回折データを基に酸素欠損に関する定量的考察を実施し、Li2MnO3の酸素欠損と構造との関連を明らかにしていく。本研究で得た結果は、マンガンベースコンポジット正極材の電極反応メカニズムの解明、さらには実用化という観点にも寄与するものと期待できる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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