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2010 年度 実績報告書

有害重金属輸送膜タンパク質のセンサ素子としての利用に関する基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22550170
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

馬場 照彦  独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 主任研究員 (40357794)

キーワード生物物理 / 超薄膜 / 脂質 / 蛋白質 / バイオセンサ
研究概要

本研究は、重金属耐性菌等が有する重金属輸送膜タンパク質について、そのセンサ素子としての利用可能性を明らかにすることを目的としている。この目的のため、安定な人工脂質膜の開発と重金属輸送膜タンパク質との複合化・再構成技術、ならびに膜タンパク質の脂質膜内での配向評価・制御技術の検討を進めている。平成22年度は、膜透過性が低く機械的に安定な古細菌脂質を模倣した人工リン脂質とこれを基板上に固定化するための安定なアンカー脂質を調製し、その膜形成性を調べた。得られた人工リン脂質は、水中で容易にリポソーム膜を生成し、また広い温度範囲で配向秩序性は比較的高いながら、膜タンパク質の機能発現に有利な膜流動性を示すことも確認した。またアンカー脂質は、親水基鎖長に応じて膜透過性・安定性が変化することを、サイクリックボルタンメトリや交流インピーダンス測定により確認し、Au電極表面に安定に固定化可能であることがわかった。一方、重金属輸送膜タンパク質については、遺伝子工学的手法により、C末にHis-tagを導入したものを大量に発現させ得た。さらに、膜タンパク質の脂質膜内での配向を制御するため、脂質と会合して開放構造の脂質膜複合体(脂質膜ディスク)を形成し得るアポリポタンパク質の応用を検討した。安定脂質膜を形成する人工リン脂質との複合化を試み、天然リン脂質が約10nm径の膜ディスクを形成する条件で、安定なフッ素含有リン脂質もほぼ同様のサイズと変性剤耐性を有する安定な膜ディスクを形成した。これらの会合体生成は、膜タンパク質の配向制御において有用であると期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 安定膜形成性人工リン脂質とアポリポタンパク質A-Iからの膜ディスク形成とその安定性2011

    • 著者名/発表者名
      馬場照彦, 高木俊之, 金森敏幸, 岡辰也, 斎藤博幸
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会
    • 発表場所
      日本化学会第91春季年会(2011)講演予稿集
    • 年月日
      2011-03-11
  • [学会発表] 安定なtethered脂質膜修飾電極の調製と膜特性評価2011

    • 著者名/発表者名
      馬場照彦, 高木俊之, 金森敏幸
    • 学会等名
      第10回産業技術総合研究所・産業技術連携推進会議ライフサイエンス・バイオテクノロジー合同研究発表会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所 つくばセンター(つくば)
    • 年月日
      2011-02-01
  • [学会発表] 薄膜型バイオセンサ構築のためのtethered脂質膜修飾電極の調製と膜特性評価2010

    • 著者名/発表者名
      馬場照彦, 高木俊之, 金森敏幸
    • 学会等名
      日本膜学会第32年会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所 臨海副都心センター(東京)
    • 年月日
      2010-05-13

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公開日: 2012-07-19  

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