研究課題/領域番号 |
22550174
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研究機関 | 佐世保工業高等専門学校 |
研究代表者 |
古川 信之 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00413873)
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研究分担者 |
竹市 力 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90126938)
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キーワード | ベンゾオキサジン / シロキサン / ポリイミド / 分子複合 / 架橋 / ガラス転移温度 / 反応性基 / 熱機械特性 |
研究概要 |
ベンゾオキサジン(以下BXZ)は、開環重合によって得られる新規なフェノール樹脂で、従来のものと比較して、耐熱性や耐湿性に優れ、開環重合による低硬化収縮性を示すことが報告されている。しかし、BXZは架橋密度の上昇に伴い靭性が低下する傾向があり、その改良が課題とされている。ビスフェノール類とジアミン類を原料として用いることにより、高分子の主鎖にベンゾオキサジン環を有する高分子量BXZを合成することができる。本年度は、芳香族鎖およびシロキサン鎖を有する新規高分子量BXZを合成し、構造と熱機械的特性について検討を行った。ビスフェノール類とジアミン類を用いることにより、主鎖に架橋反応性ベンゾオキサジン環を有する材料を合成できることが示された。主鎖構造やスペーサー基の違いが、BXZの反応性や熱機械的特性に影響を及ぼすと考えられる。また、シロキサン鎖を導入することにより、よりガラス転移温度は低下するが、可とう性付与が可能であることが明らかとなった。 分子複合を目的として、芳香族ポリイミドの分子構造中の側鎖に反応性基を導入し、その熱的および機械的特性の把握を行った。さらに、この熱可塑性芳香族ポリイミドとビスフェノールF型ベンゾオキサジンの新規な分子複合フィルムを作成し、その組成と熱的および機械的特性の変化について検討を行った。熱可塑性芳香族ポリイミドにBXZのモノマーを分子複合させることで、ガラス転移温度も共に低下したが、加熱によりBXZを架橋反応させることで、ガラス転移温度は上昇した。またポリイミド側鎖に反応性基を導入することで、架橋反応がBXZ単独の場合よりも低温側で起こった。また、ポリイミド側鎖の反応性基の違いが、複合材料中でのBXZの架橋反応性や、複合材料の熱機械的特性に影響を及ぼすことが示唆された。
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