研究概要 |
二酸化チタン光触媒を実用化するための重要な要素の一つはその材料形態である。材料形態により、機能性や触媒効率、そして取り扱いの容易さが大きく変わり、製品化の成否が決まる。本研究では、高光触媒活性をもつコロイド結晶状二酸化チタンと多孔質無機材料との複合化を研究し、高機能・高効率な光触媒作用をもつ、環境浄化材料の開発を行う。 平均粒径6~数100nmのTiO_2コロイドを調製し、100℃以下の低温条件化でのTiO_2粒子の自己組織化により粒子が三次元的に規則配列したコロイド結晶状二酸化チタンの生成条件を調べた。そして、UV-bis分光光度計を用いて粒子の配列構造や粒径が吸収光波長、および光散乱や光透過性に及ぼす影響を調べた。さらに、得られた二酸化チタン材料について、メチレンブルーなどの色素の分解除去あるいはNOxの分解による光触媒活性評価を行った。コロイド結晶状二酸化チタンは高い光触媒能をもつことが分かった。 多孔質粘土鉱物としてセピオライト(Mg_8Si_<12>O_<30>(OH)_4(OH_2)_4・8H_2O)を用い、繊維長の異なる各種のセピオライトの混合比や水の添加量などの成形用原料の調製条件や成形条件を検討し、大きさが600mm×600mm,厚さ約2~5mm,の平板状基板を作製することができた。500~800℃で熱処理を行い、成形基板および焼成基板について、組織、構造、表面形状、結晶相などを明らかにした。
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