研究課題
基盤研究(C)
CaO-Bi2O3 複合酸化物系の中で可視光吸収が可能なCa4Bi6O13 に注目し、高比表面積を持つCa4Bi6O13 の高純度相を得るための合成法の確立と詳細なキャラクタリゼーションを実施した。固相反応法, 酢酸塩法及び有機酸法について検討した結果、有機酸としてクエン酸を用いると、最も高純度で高比表面積のCa4Bi6O13 相が速やかに低温で生成することが明らかとなった。可視領域において光触媒特性を試験した結果、酸化チタンよりも高いメチレンブルー分解活性を有することが判明した。また不純物としてSr を添加すると、わずかにバンドギャップの狭窄化が確認され、同時に光触媒活性も改善されることがわかった。Ca4Bi6O13 の光触媒特性発現機構を明確にするために、第一原理エネルギーバンド計算を実施した。その結果、Ca4Bi6O13 は光触媒として有利な直接遷移型の酸化物であり、伝導帯底付近や価電子帯頂上付近のエネルギーバンドが分散しており、光励起されたキャリアの有効質量が小さいことがわかった。またCa4Bi6O13は歪んだBi 配位多面体の連結構造から成るが、その多面体中には大きな電気双極子モーメントが存在し、それが光励起された電子とホールの分離を促進していることが示唆された。
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