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2010 年度 実績報告書

核酸とエンドトキシンの分離のためのシクロデキストリン架橋球状粒子の調製と応用

研究課題

研究課題/領域番号 22550200
研究機関熊本大学

研究代表者

坂田 眞砂代  熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (60187391)

キーワードシクロデキストリン / エンドトキシン / DNA分離 / 選択吸着 / LPS吸着剤 / キャビティ / 包摂作用
研究概要

本研究では、エンドトキシン(リボ多糖:LPS)を選択吸着するための細孔制御シクロデキストリン架橋球状粒子を調製した。同粒子表面のシクロデキストリン由来キャビティ中にLPSを選択的に取込むことを利用して、DNAワクチン等の注射溶液からのLPS選択除去を試みた。
ケイ酸ナトリウム水溶液に水酸化ナトリウムとβ-およびγ-CyDを溶解させ、50℃で1時間撹拝した後、エピクロロヒドリン(架橋剤)を加えて65℃で24時間撹拝した。生成物をろ取・洗浄することで種々のCyD架橋粒子(20-200μm)を得た。得られた粒子を用いてバッチ法によるLPS吸着実験を行った。
β-及びγ-CyD架橋粒子、アミノ化γ-CyD架橋粒子と市販のアミノ化粒子(Detoxi-gel、ET-clean)とのLPS吸着除去能(LPS残存濃度)を比較した。CyD架橋粒子は、CyDのキャビティでしかLPSを吸着できないために、市販のアミノ化粒子に比べて吸着除去能が劣るが、中性域でイオン強度=0.05~0.2の溶液環境下で、100EU/mLのLPS濃度を20EU/mL程度の濃度まで除去できることが分かった。また、アミノ化cyD架橋粒子は、10EU/mL以下のLPS濃度まで吸着除去できた。さらに、種々の吸着剤のLPS/DNA混合溶液からのLPS選択吸着能を比較した。その結果、アミノ化粒子は、LPSとDNAの両方に対して高い吸着能を示したのに対して、γ-CyD架橋粒子はDNAを吸着することなく、LPSのみに選択性を示した。以上の結果から、γ-CyD架橋粒子は、主に静電性でLPSを吸着するアミノ化粒子と比べるとLPS吸着能は劣るが、DNAとの相互作用をほとんど示さないため、LPS/DNA混合溶液からのLPS選択除去剤として大いに期待できることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Selective removal of endotoxin from a DNA solution by cross-linked cyclodextrin beads2011

    • 著者名/発表者名
      坂田眞砂代、吉村佳奈、坂本逸美、戸所正美、國武雅司
    • 雑誌名

      Analyrical Sciences

      巻: 27 ページ: 213-216

    • DOI

      10.2116/analsci.27.213

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chromatographic Separation of DNA from Protein solution by cellulose beads grafted with cationic polymer chains through ATRP2010

    • 著者名/発表者名
      M.Ashaduzzaman, 立中佑希、石倉圭、坂田眞砂代、國武雅司
    • 雑誌名

      Proceedings of 10^<th> International Conference on Fundamentals of Adsorption

      ページ: 397

    • 査読あり
  • [学会発表] Design of cellulose beads grafted with cationic polymer for chromatographic separation of DNA from protein solution2010

    • 著者名/発表者名
      坂田眞砂代、立中佑希、M.Ashaduzzaman, 石倉圭、國武雅司
    • 学会等名
      The 2010 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
    • 発表場所
      Convention Center, Honolulu, Hawaii, U.S.A
    • 年月日
      2010-12-16
  • [学会発表] DNA水溶液からのLPS除去のためのシクロデキストリン架橋粒子の調製2010

    • 著者名/発表者名
      吉村佳奈、坂本逸美、坂田眞砂代
    • 学会等名
      第59回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2010-05-26

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公開日: 2012-07-19  

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