研究概要 |
本年度は、前年度の結果をもとに吸着剤を再構築し、以下のような結果が得られた。 1) 吸着剤の再構築:① 吸着剤の性能評価実験の結果をもとに、吸着剤の化学的・物理的構造を再構築できた。具体的には、γ-CyDを官能基として選択し、架橋剤をエピクロロヒドリンからウレタン構造をもつヘキサメチレンジイソシアナート (HMDI) に変更することにより、吸着剤のLPS吸着能を著しく増大させることができた。② 国際学会 (3回) および国内学会 (2回)での情報発信と技術情報交流を行い、吸着剤の設計方法および応用法を確率できた。 2) 吸着剤の製造法の確立:① 吸着剤の官能基としてγ-CyDを用いることにより、キャビティサイズをLPS包摂に適したサイズ (0.85 nm) に絞り込み、かつ、最適な疎水性をもつ架橋剤を用いることにより、吸着剤のγ-CyD含有率を7から20%まで増大することができ、この結果が、LPS吸着活性を著しく増大させた。②粒径サイズをクロマトグラフィ用充填剤に適したサイズに絞り込み、吸着剤の球状粒子化を試みたが、本年度中には確立できなかった。② 2年間の研究成果をもとに、新規吸着剤の物質特許の出願を実現できた。(特願2012-123281) 3) 吸着剤のLPS選択除去能の評価:バッチ法により、LPSを含む種々のDNA水溶液およびタンパク質水溶液からのLPS選択吸着を試みた。結果として、DNAおよびタンパク質を吸着することなく、LPSを選択吸着できる吸着条件 (pH 6,イオン強度μ=0.05~0.2)を確立できた。 4) 吸着剤の再生試験:吸着剤の洗浄法は、0.2M-NaoH含有95%エタノール水溶液を用いて、ガラスフィルター上で洗浄することにより確立できたが、再生処理条件に関しては検討できていない。
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