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2012 年度 実績報告書

結晶性ブロック共重合体の相互侵入球晶と結晶ラメラ間における輸送現象

研究課題

研究課題/領域番号 22550201
研究機関神奈川大学

研究代表者

池原 飛之  神奈川大学, 工学部, 教授 (90242015)

研究分担者 片岡 利介  神奈川大学, 工学部, 助教 (20514425)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード高分子構造・物性 / ブロック共重合体 / 球晶 / ラメラ構造 / 結晶化 / 高分子ブレンド / プロトン伝導
研究概要

1.相溶する結晶性高分子で構成されるポリエチレンサクシネート/ポリエチレンオキシドブロック共重合体 (PES-b-PEO)において、PEOブロックの分子量を変化させ、PES結晶ラメラスタックの長周期とPESラメラ間におけるPEOの結晶化ダイナミクスの関係を調べた。ブロックコポリマーではPEO分子量が増加するとともにPESのラメラ間隔が広がったが、同組成のポリマーブレンドでは、ラメラ間隔に明確なPEO分子量依存性は無かった。またコポリマーにおけるPESラメラ間を成長するPEOの結晶化速度は、PEOの分子量が増加するほど速くなった。これは、PEO分子量の大きいコポリマーではPESのラメラ間隔が広がり、この空間で結晶化するPEOの分子運動性が高くなったこと、およびラメラ間非晶域における組成が変化したことが原因として考えられる。
2.PES-b-PEOにおいて、アセタール基をブロック間に導入する方法について検討した。この際、PEOとPESの末端どうしをクリック反応により結合させたところ、高収率で目的のPES-b-PEOが得られた。このコポリマーのブロック間を繋ぐアセタール基は、PESが結晶化しPEOが融解した状態で、紫外光と光酸発生剤を用いることで切断可能であった。
3.結晶性ブロックとプロトン伝導性ブロックからなるポリエチレン/ポリスチレンスルホン酸ブロック共重合体を合成した。このコポリマーを製膜すると、水に対して膨潤度の低い薄膜が得られた。これは試料の結晶性ブロックが膜の膨潤を抑制しているからであると考えられる。この膜の結晶化温度を変化させプロトン伝導性を測定すると、結晶化温度が低いコポリマーにおいて高いプロトン伝導度を示した。これは、結晶化温度が結晶化度に与える影響、およびラメラ晶とラメラ間非晶域のサイズに与える影響の二つの観点から説明できると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Relation between the helical twist and S-shaped cross section of the lamellar crystals of polyethylene2013

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Ikehara, Toshyuki Kataoka
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 3 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1038/srep01444

    • 査読あり
  • [学会発表] ポリマーブレンド系における球晶成長速度の結晶化温度依存性の解析

    • 著者名/発表者名
      池原飛之、森山瑞希、片岡利介
    • 学会等名
      第61回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
  • [学会発表] 結晶性/結晶性ブロックコポリマーにおける結晶化の解析

    • 著者名/発表者名
      門倉大、片岡利介、李勇進、池原飛之
    • 学会等名
      第61回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
  • [学会発表] Noria/polytetrahydrofuranブレンドの錯体形成と構造

    • 著者名/発表者名
      片岡利介、工藤宏人、池原飛之
    • 学会等名
      第61回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
  • [学会発表] 結晶性/結晶性ブロックコポリマーの結晶化速度とラメラ構造の解析

    • 著者名/発表者名
      門倉大、片岡利介、李勇進、池原飛之
    • 学会等名
      第61回高分子討論会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
  • [学会発表] ポリエチレンのバンド球晶における表面ラメラスタック

    • 著者名/発表者名
      池原飛之、片岡利介
    • 学会等名
      第61回高分子討論会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
  • [学会発表] 鎖状ポリエーテルとnoriaが形成する錯体の構造と特性

    • 著者名/発表者名
      片岡利介、工藤宏人、池原飛之
    • 学会等名
      第61回高分子討論会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
  • [学会発表] ダイレクトメタノール型燃料電池への適応に向けた結晶性/非晶性ブロックコポリマーの合成と構造

    • 著者名/発表者名
      大安恵太郎、片岡利介、横澤勉、太田佳宏、池原飛之
    • 学会等名
      第61回高分子討論会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
  • [学会発表] Complex formations and structures of noria and linear polyethers

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Kataoka, Hiroto Kudo, Takayuki, Ikehara
    • 学会等名
      The 9th SPSJ International Polymer Conference
    • 発表場所
      神戸国際会議場

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公開日: 2014-07-24  

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