(1)ネットワーク構造中の空間の定量的評価法の確立と(2)光学、誘電、耐熱、および力学特性と導入された空間との関係を検討した。その結果、コナリー表面に囲まれた領域の体積とVan der Waals体積の差から、網目鎖内部および網目鎖間の空間を定量的に評価する方法を提案した。この方法により、多面体シルセスキオキサンは内部空間をほとんど持たず、その外部の芳香環により大きな分子鎖間空間を有することを明らかにした。この空間の導入は、屈折率や誘電率に大きな影響を示した。また、ガラス転移温度や弾性率は主鎖骨格部の充填密度に比例するのに対して、屈折率や誘電率は側鎖部を含めた網目鎖全体の充填密度の関数となることも明らかにした。
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