本研究はイオン液体濃厚ポリマーブラシを有するシリカ複合微粒子(SiP)を利用して、世界トップレベル(0.5mS/cm @30℃)のイオン伝導性を有する固体ポリマー電解質創製を目指す。イオン液体濃厚ポリマーブラシを有するシリカ複合微粒子とイオン液体からなる疑似コロイド結晶固体膜は、高いイオン伝導性を有する新規固体電解質膜(イオンネットワークポリマー電解質)として機能する。今年度はまず、パルス磁場勾配NMR法による固体内Li^+拡散を評価した結果、Li^+の拡散係数に関して、当該研究開発の電解質膜は固体系にもかかわらずイオン液体中より約4倍高い拡散係数を有することを確認した。当該電解質膜では、イオン液体中で問題となる強いイオン間相互作用が緩和され、チャンネル内に電解質として有利なイオン移動環境が構築されていることが明らかとなった。
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