難燃性のイオン液体モノマーに表面開始リビングラジカル重合を適用し、イオン液体ポリマーブラシ/シリカ複合微粒子(SiP)を合成した。本研究はこの複合微粒子(SiP)を利用して、世界トップレベル(0.5mS/cm @30℃)のイオン伝導性を有する固体ポリマー電解質創製を目指すものである。 今年度は、本研究課題で開発した固体電解質を用いて、バイポーラ型の高電圧リチウムイオン電池を設計し、試作評価を実施した。バイポーラ電極と固体電解質を積層した単セルを直列積層した電池は従来のリチウムイオン電池より高い電圧を持つ。駆動電圧6V及び9Vの二種類のセルを試作し、充放電特性並びにサイクル耐久性を評価し、複合微粒子電解質が難燃性の高電圧リチウムイオン電池として優れた性能を有することをセルにて実証できた。試作セルは50サイクルで80%程度のクーロン効率を有していた。
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