• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

マイクロPD法によるニオブ酸カリウム組成融液からの板状ニオブ酸カリウム結晶育成

研究課題

研究課題/領域番号 22560010
研究機関山口大学

研究代表者

小松 隆一  山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20314817)

研究分担者 伊東 洋典  山口大学, 大学院・理工学研究科, 学術研究員 (60600088)
キーワードニオブ酸カリウム / shaped crystal / 非鉛系圧電材料 / μ-PD法
研究概要

融液からの単結晶育成でば、育成後の残液だけでなくウエハへの加工で育成結晶重量の50%以上が廃棄物になってしまう、従ってこれらの廃棄物がほとんど再ない育成法開発が、省資源、省エネの点から必要である。一方ニオブ酸カリウム(KNbO3:KN)は、電気機械結合定数が大きいので、弾性表面波基板だけでなく非鉛系圧電材料としても注目されている。このKN結晶は不一致溶融化合物なので、育成はフラックス法で行われているが、育成結晶中へのフラックスの混入、育成速度が増加できない等の問題があり、結晶が効率的に育成出来、低コスト化が図れれば、市場が開拓できると予想されている。この結晶育成に対し、申請者らはpilling down法(PD法)でKN組成からKNファイバー結晶が育成できることを見出した。これらの結果をさらに進めて、省資源、省エネに有利なデバイスサイズの板状KN結晶育成を検討することを目標TPしている。本年度は育成炉の改造を行いながら、ルツボから融液を引き出すノズル形状を2種類作成し、板状KN結晶育成を検討した。検討の結果、育成KN結晶の厚みが変動するが長さ2cm程度の板状KN結晶が初めて育成できた。しかし厚みの変動が大きくなることが判った。この厚みの変動はノズルの径が大きいことに起因することが予想されたので、来年度の検討では、白金るつぼ下に0.5mm径の穴を有する直方形のノズルを作成して、厚み変動の小さいKN板状結晶の育成実験を行う。このようなノズルでは、融液からの結晶への融液供給が安定化し、育成結晶の問題である厚み変動が抑制できると予想している。育成結晶の特性評価では、厚みが小さくなる部位では、結晶が青色に着色する現象が確認された。これは結晶成長時の再溶融により酸素欠担に起因することが推定された。またX線回折実験からは、目的通りのKN単相が育成できたことが確認された。今後は、厚み変動の小さい板状KN結晶育成を鋭意検討し、電気機械結合係数の測定も検討したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目で板状KN結晶が作製出来、またより高品質化のための今後の検討課題も明らかになった。KN単相も得られた。

今後の研究の推進方策

ノズル形状の検討が必要であることが判った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Growth and characterization of potassium niobate fiber crystal from liquid with stoichiometric composition by μ-PD method2012

    • 著者名/発表者名
      R. Komatsu, Y.Okuma, H.Itoh, Y.Akishige
    • 雑誌名

      Electronics and Communications in Japan

      巻: 95 ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] μ-PD法による化学量論組成液相からのニオブ酸カリウムファイバー結晶の育成と評価2011

    • 著者名/発表者名
      小松隆一, 大熊洋平, 伊東洋典, 秋重幸邦
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 131 ページ: 1126-1130

    • 査読あり
  • [学会発表] μ-PD法によるKNbO3溶液からのKNbO3平板結晶の育成2011

    • 著者名/発表者名
      石川亮太, 伊東洋典, 小松隆一
    • 学会等名
      日本結晶成長学会
    • 発表場所
      国際会議場(筑波)
    • 年月日
      2011-11-03

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi