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2011 年度 実績報告書

高濃度不純物添加酸化亜鉛膜の光伝導の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 22560027
研究機関高知工業高等専門学校

研究代表者

岸本 誠一  高知工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90177816)

キーワード酸化亜鉛 / 薄膜 / 光伝導度 / 紫外線
研究概要

まず、無添加ZnO膜と高濃度GZO膜の光学的評価を行った。無添加ZnO膜では、光吸収スペクトルにおいて励起子吸収端と考えられるピークが観測されることを確認した。また、このピークの強度は膜厚共に強くなった。このことは、膜厚とともに結晶粒が大きくなり、結晶全体として結晶性がよくなることと定性的に合う。また、Hall測定の温度依存性は見られず、このことは不純物バンドが形成されていることを示している。
さらに光伝導度スペクトルを、膜厚の違うGZO膜において測定した。その結果、波長350nm付近にピークをもつことは膜厚に依らないものの、より短波長側では膜厚が薄くなっても光伝導度がこのピーク強度に比較して小さくならないことを確認した。光応答性は膜厚の薄い試料で,より速い傾向が見られた。これらのことから、粒内の結晶欠陥が光応答性を悪くしていると考えられる。結晶内には、フレンケル欠陥が多数存在していることが考えられる。そこで、熱処理による酸化処理で光応答性が改善するかを検討した。XRD評価から膜構造の結晶性が改善されること、照射光を切ったときの光応答性が著しく改善されることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、光伝導度のメカニズムを明らかにすることを目的としている。これまでに、膜条件の異なる高濃度不純物添加の酸化亜鉛薄膜に対してX線回折測定、紫外線照射による光伝導度スペクトル、光応答性について評価し、定性的な傾向がわかってきた。すなわち、多結晶の結晶子と粒界部分のそれぞれが電気的特性と光学的特性に大きく影響している。

今後の研究の推進方策

最終年度は、主に光吸収スペクトルとHall測定によるキャリア濃度と移動度の評価を行い、これまでの結果と合わせて特に多結晶結晶子と粒界部について総合的な検討を行う。また、ショットキー型のセンサを作る場合の電極形成時の界面(酸化亜鉛薄膜表面)の評価を行う。

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公開日: 2013-06-26  

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