研究概要 |
まず、無添加ZnO膜と高濃度GZO膜の光学的評価を行った。無添加ZnO膜では、光吸収スペクトルにおいて励起子吸収端と考えられるピークが観測されることを確認した。また、このピークの強度は膜厚共に強くなった。このことは、膜厚とともに結晶粒が大きくなり、結晶全体として結晶性がよくなることと定性的に合う。また、Hall測定の温度依存性は見られず、このことは不純物バンドが形成されていることを示している。 さらに光伝導度スペクトルを、膜厚の違うGZO膜において測定した。その結果、波長350nm付近にピークをもつことは膜厚に依らないものの、より短波長側では膜厚が薄くなっても光伝導度がこのピーク強度に比較して小さくならないことを確認した。光応答性は膜厚の薄い試料で,より速い傾向が見られた。これらのことから、粒内の結晶欠陥が光応答性を悪くしていると考えられる。結晶内には、フレンケル欠陥が多数存在していることが考えられる。そこで、熱処理による酸化処理で光応答性が改善するかを検討した。XRD評価から膜構造の結晶性が改善されること、照射光を切ったときの光応答性が著しく改善されることを確認した。
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