(1)位相誤差測定技術:スラブ導波路の屈折率歪みを高精度に導出するためには、160チャンネルの位相誤差を精度よく測定することが必要である。このため、スパンが2cmの1軸ステージを組み合わせてXY軸とし、(i)x軸方向の最適な位置をサーチし、(ii)XとY軸に関してスパイラル上にファイバを動かして最適な位置をサーチする光学調整プログラムを作成した。その結果、1チャンネルにつき10秒にてファイバの最適な位置をサーチする光学系を構築できた。同一チャンネルにて繰り返し測定を行った結果、サーチごとの光パワー変動量は5%以下となった。X軸のスパンが2cmしかなかったので、全チャンネルを自動的に測定することはできなかった。そこで当該XY軸をスパンが6cmのマニュアル駆動のX軸ステージに搭載し、40チャンネルごとの4グループに対して全自動で光学調整を行うことにした。このような光学系を導入することにより、AWGの各チャンネルに対して20秒で干渉フリンジを取得できるようになった。 (2)診断技術の開発:CO_2レーザを照射して導波路を局所的に温度変調し、ブリルアン増幅を利用して照射部分の屈折率を測定するためには、誘起される強度変調を抑えながら温度を上昇させることが不可欠である。今回、石英系導波路型マッハ・ツエンダー干渉計(MZI)を作製し、一方のアームをレーザ照射し、ビーム径をビームエクスパンダーで2~8倍に変化させながらMZIからの出力変化を測定した。その結果、ビーム径を6倍にしてシリンドリカルレンズを用いて導波路長手方向に照射することにより、強度変調が1%以下でありながら15度の温度上昇を誘起できることが判明した。
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