研究概要 |
本研究は、傾斜型の擬似位相整合(Quasi Phase Matching, QPM)構造を備えた超大口径の非線形光学デバイスの実現と、その超短パルス発生への適用を最終目的とし、初年度である平成22年度は、以下に示すように、主に材料検討および条件探索を実施した。 ・用いる強誘電体結晶として、従来のMg添加コングルエント組成ニオブ酸リチウム(MgLN)および、近年開発され、過去に実際に物性値評価等を行ったMg添加コングルエント組成タンタル酸リチウムについて比較検討を行い、物性値および過去の利用実績からMgLNを選択した。 ・波長1.064ミクロンレーザー光励起の光パラメトリック発振に適した、結晶内部における実効反転周期~30ミクロンを実現可能で、QPM素子口径拡大に適した結晶傾斜角度として、65°を選択し、周期構造形成条件を探索した結果、結晶厚2mmまでは良好な周期構造を形成できる条件を見出した。 初年度の結果をもとに、次年度以降は実際に傾斜型QPM素子を作製し光学実験を実施してその有効性を実証する予定である。
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