研究課題/領域番号 |
22560048
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研究機関 | 防衛大学校 |
研究代表者 |
大越 昌幸 防衛大学校, 電気情報学群, 教授 (70283497)
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キーワード | フッ素レーザー / ポリカーボネート / ガラス化 / 自動車用窓材 / 環境 |
研究概要 |
本研究では、シリコーン系ハードコートが施されたポリカーボネート表面を、フッ素レーザー誘起光化学反応によりシリカガラス(SiO_2)化することによって、軽量、透明で、高い耐衝撃性を有し、しかも「傷の付き難い」次世代型の自動車用ガラス代替窓材を開発することを目的としている。昨年度までは、シリコーンハードコートをシリカガラス化するための最適なレーザー照射条件を見出し、そのときの試料の耐摩耗性をテーバー摩耗試験により調べた。その結果、フッ素レーザーによるシリコーンへのシリカへの改質によって、ポリカーボネート表面に高い耐摩耗性が発現することを示した。 今年度は、SiO_2改質層の膜厚を、昨年度までに得られた0.44μmよりも厚くし、試料の表面硬度をより高くすることを試みた。改質層の膜厚を増加するために、レーザーフルエンスは14mJ/cm^2一定とし、照射時間を昨年度までの条件である30sから180sまで増加させた。その結果、改質された試料表面には、クラソクが発生することがわかった。そこで、クラックフリーで、かつ改質層の膜厚を厚くするために、SiO_2改質領域をミクロンオーダーで細分化することを行った。実験として、ハードコートが施されたポリカーボネート上に予めステンレス製メッシュマスク(50μm角)を密着させ、その後フッ素レーザーを照射した。試料表面の光学顕微鏡観察よ咲メッシュマスクを用いて改質領域を50μm角に細分化することにより、クラックを抑制できることがわかった。改質領域を細分化したときの試料の表面硬度を、ナノインデントにより調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
改質領域の細分化により、シリカガラス層の膜厚を増加させ、かつクラック発生を抑制することができた。
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今後の研究の推進方策 |
改質領域をミクロンオーダーで細分化された試料について、表面の耐摩耗性および硬度と、改質層の膜厚との関係を調べる。また実用化のために、改質試料の耐候性・耐熱性を調べる。
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