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2012 年度 実績報告書

フッ素レーザーによるポリカーボネート表面のガラス化と次世代型自動車用窓材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22560048
研究機関防衛大学校

研究代表者

大越 昌幸  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 教授 (70283497)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードポリカーボネート / 自動車窓材 / シリカガラス / フッ素レーザー
研究概要

本研究課題では、シリコーン系ハードコートが施されたポリカーボネート表面を、フッ素レーザーを用いて、光化学的にシリカガラスに改質することにより、軽量、透明で、高い耐衝撃性を有し、しかも「傷の付き難い」次世代型の自動車用ガラス代替窓材を開発することを目的とした。
レーザーのエネルギー密度ならびに照射時間をパラメータとして、シリコーン系ハードコート上に形成されるシリカガラス改質層の化学結合状態ならびに膜厚の変化を調べた。自動車用窓材として利用するためには、テーバー摩耗試験でのヘイズ値を、従来のガラス製窓材と同等にする必要がある。そのためには、前記レーザー照射条件の最適化のみならず、ハードコート下のプライマー層の膜厚の最適化も重要であることを見出した。その結果、従来の窓材と同等の耐摩耗性を、試料表面に発現させることができた。一方、シリカガラス改質層の膜厚が厚くなると、クラックが発生し始めることが問題となった。
そこで、レーザー照射の際、試料表面にコンタクトマスク(開口50 m角)を設置し、レーザーの照射時間の変化によりシリカガラス改質層の膜厚を増加させた。その結果、試料表面の改質領域がミクロンオーダーで細分化され、膜厚1.2 mのクラックフリーのシリカガラス改質層を形成できるに至った。このような改質領域の細分化を行っても、試料は高い可視透過性を示すことを確認した。また、改質領域の膜厚増加による表面硬度の向上も認められた。
上記の結果を基に、屋外での耐候性試験、耐熱試験、ワイパー試験など、実用化のための試験を行い概ね良好な結果を得た。本手法を基に開発したポリカーボネート窓材は、現在欧州でも窓材としての認証を得ており、国内ではすでにリア、クオーター窓として電気自動車に搭載されるに至っている。したがって、本研究課題の目的は十分達成できたと考える。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] フッ素レーザによる表面改質とその最先端応用2013

    • 著者名/発表者名
      大越昌幸,井上成美
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 133 ページ: 490-493

  • [雑誌論文] 真空紫外パルスレーザーによるシリコーンゴム基板上へのアルミニウム薄膜のパターニング2012

    • 著者名/発表者名
      岩井和史,大越昌幸,野尻秀智,井上成美
    • 雑誌名

      日本材料科学会誌

      巻: 49 ページ: 51-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] レーザーによる軽量・耐衝撃性ガラス代替窓材の開発2012

    • 著者名/発表者名
      大越昌幸,能島義彦、野尻秀智、井上成美
    • 雑誌名

      日本材料科学会誌

      巻: 49 ページ: 24-27

  • [学会発表] フッ素レーザー誘起表面改質とサステナブル技術応用2013

    • 著者名/発表者名
      大越昌幸、能島義彦、岩井和史、野尻秀智、井上成美
    • 学会等名
      第7回真空紫外光源およびレーザーアブレーションに関するワークショップ
    • 発表場所
      大阪府茨木市
    • 年月日
      20130318-20130319
  • [学会発表] フッ素レーザーによるポリカーボネート上への透明硬質膜の形成とその応用2013

    • 著者名/発表者名
      大越昌幸,能島義彦,野尻秀智,井上成美
    • 学会等名
      レーザー学会学術講演会第33回年次大会
    • 発表場所
      兵庫県姫路市
    • 年月日
      20130128-20130130
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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