• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

新規熱電材料のための磁性-半導体微粒子ハイブリッドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22560050
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

小矢野 幹夫  北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (60195873)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード熱電変換材料 / 磁性微粒子 / ハイブリッド材料 / 熱電性能指数 / ビスマス-アンチモン合金 / Fe-Nd-B / 磁化
研究概要

本研究課題では,大きな熱起電力と低い熱伝導率が要求される次世代の熱電変換材料に供するため,熱電半導体微粒子と磁性微粒子のハイブリッド材料を開発することを目的とする.平成24年度は最終年度として以下の内容を遂行した.
1. 前年度に合成に成功した熱電半導体微粒子と磁性微粒子のハイブリッド材料(Bi-Sb合金・バリウムフェライト系)の伝導機構を詳細に解析した.熱電能αおよび電気抵抗率ρの振る舞いをパーコレーションモデルで定量的に説明できることを明らかにし,この結果を刊行論文に報告した.
2. 微粒子系ハイブリッド材料の熱伝導率をより精密に測定するため,3ω法を用いた熱伝導率測定装置を開発した.この装置を用いることにより,上記の実験で理解が難しかった微粒子系での熱伝導メカニズムの解明につながることが期待できる.
3. 以上の結果を踏まえて,Bi-Sbハイブリッド熱電材料の原料となる強磁性体ナノ粒子として,より高い保持力を有するFe-Nd-Bを用いた.母体Bi0.88Sb0.12インゴットを粉砕した原材料末にFe-Nd-B微粒子を添加し,現有のマッフル炉で加熱して試料を作製した.Bi-Sbに対するFe-Nd-B微粒子のモル比は,0から9%とした.このハイブリッド試料を磁化させ,その前後での熱電性能を比較した.この実験より,Bi-Sb合金・Fe-Nd-B系ハイブリッド材料では,微粒子が磁化することにより熱電能αが最大5%増加することを実験的に見いだした.この増加率は,|α|が最大となる125 Kで最も高くなる.この効果は外部磁場を取り去っても保持される.この効果によりZT =α2T/(ρκ)で定義される熱電性能指数は4%の増大することが明らかとなった.この増強効果の磁気異方性が小さいことから,ハイブリッド中の内部磁場は強磁性微粒子のランダム分布を反映していることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Percolation Conduction in the Hybrid Thermoelectric Material Consisting of Bi0.88Sb0.12 and Barium Ferrite Particles2013

    • 著者名/発表者名
      D. V. Lam, T. Ariga, K. Takahashi, K. Suekuni, and M. Koyano
    • 雑誌名

      Journal of Electronic Materials

      巻: online ページ: 6 pages

    • DOI

      10.1007/s11664-012-2436-4

    • 査読あり
  • [学会発表] ナノ熱電材料測定に向けた熱伝導率測定装置の開発

    • 著者名/発表者名
      西野俊佑、有賀智紀、末國晃一郎、小矢野幹夫
    • 学会等名
      第九回日本熱電学会学術講演会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都目黒区)
  • [学会発表] Synthesis and thermoelectric properties in hybrids of Bi-Sb alloy and Nd2Fe14B hard magnet

    • 著者名/発表者名
      N. V. Tang, K. Suekuni, T. Ariga, and M. Koyano
    • 学会等名
      2012年 秋季 第73回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      愛媛大学・松山大学(愛媛県松山市)
  • [学会発表] 3ω法を用いたBi-Te系熱電厚膜の熱伝導率測定

    • 著者名/発表者名
      西野俊佑,末國晃一郎,小矢野幹夫,大平圭介
    • 学会等名
      2013年春季 第60回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      神奈川工科大学(神奈川県厚木市)

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi