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2012 年度 実績報告書

メタマテリアルで作製されたマイクロマシンのカシミア効果による量子浮上

研究課題

研究課題/領域番号 22560054
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

乾 徳夫  兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70275311)

研究期間 (年度) 2010-10-20 – 2013-03-31
キーワードマイクロマシン / カシミール力 / 浮揚技術 / 量子効果 / 超潤滑 / 凝着 / 反発力 / 超伝導
研究概要

本研究の目標は,通常は引力であるカシミール力を斥力に反転して物体を浮揚させる方法を見出すことである.その方法の一つとしてメタマテリアルの使用が注目されてきたが,その後研究により実現性に疑問がもたれるようになった.そこで,申請者は磁性絶縁体もしくは反磁性体を用いたカシミール斥力の発生方法を提案している.
誘電率がプラズマモデルで表すことのできる金属と磁性絶縁体の間に作用するカシミール力は斥力になり得ることは知られていたが,その値は小さく増強する必要があった.今回,磁性絶縁体を薄くすることで斥力が増大することが見いだされ,その手法は米国応用物学会のPhysics News Highlightsで取り上げられた.
反磁性体を用いてもカシミール力は斥力になり得る.しかし,強い反磁性を示す物質は超伝導体を除いて知られていない.そこで,ニオブとイットリウム鉄ガーネットに作用するカシミール力が温度によってどのように変化するかを調べた.カシミール斥力は相転移以下になると急激に増大するが,その後減少することが分かった.
メタマテリアルを用いたカシミール斥力の発生には限界があることが徐々に明らかになっているが,ナノコンポジットのような磁性体を用いたメタマテリアルには未だ可能性が残されている.上述の厚み依存性を考えたとき,極薄のナノコンポジットと金の間に作用するカシミール力に興味がもたれるが,そのような系でカシミール力を計算することは成されていない.そこで,極薄非磁性体金属円板が規則正しく配置された系の間に作用するカシミール力を計算する方法を提案した.通常,二物体間に作用する力はその誘電関数から計算されるが,提案手法では反射率から直接計算することが可能となり,より複雑なメタマテリアル間のカシミール力が計算できると期待される.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Asymptotic Behavior of the Casimir Force between Arrays of Planar Scatterers in the Large Separation Regime2013

    • 著者名/発表者名
      Norio Inui
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: Vol. 82 ページ: 054004.1-054002.7

    • DOI

      DOI:10.7566/JPSJ.82.054002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カシミール斥力を利用した量子浮揚2013

    • 著者名/発表者名
      乾 徳夫
    • 雑誌名

      トライポロジスト

      巻: 58 ページ: 65-70

  • [雑誌論文] Quantum levitation of a thin magnetodielectric plate on a metallic plate using the repulsive Casimir force2012

    • 著者名/発表者名
      Norio Inui
    • 雑誌名

      Journal of Applied Physics

      巻: Vol. 111 ページ: 07304.1-07304.5

    • DOI

      DOI:10.1063/1.3698619

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Temperature dependence of the Casimir force between a superconductor and a magnetodielectric2012

    • 著者名/発表者名
      Norio Inui
    • 雑誌名

      Physical Review A

      巻: Vol. 86 ページ: 022520.1 -022520.8

    • DOI

      DOI:10.1103/PhysRevA.86.022520

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Optical Trapping of Nanoparticle near Metallic Plate by the Casimir Effect2012

    • 著者名/発表者名
      Norio Inui
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: Vol. 81 ページ: 054401.1-054401.6

    • DOI

      DOI:10.1143/JPSJ.81.054401

    • 査読あり
  • [学会発表] 2次元金属円板配列間に作用するカシミール力2013

    • 著者名/発表者名
      乾 徳夫
    • 学会等名
      日本物理学会第68回年次大会
    • 発表場所
      広島大学・広島
    • 年月日
      20130326-20130326
  • [学会発表] Dynamical Response of Suspended Graphene by Impact with a Gas Cluster and Quantum Levitation2012

    • 著者名/発表者名
      Norio Inui
    • 学会等名
      Nano Sciences & Technologies 2012
    • 発表場所
      Kempinski Hotel・中国(チンタオ)
    • 年月日
      20121026-20121028
    • 招待講演
  • [学会発表] 超伝導体と磁性誘電体に作用するカシミール力の温度依存性2012

    • 著者名/発表者名
      乾 徳夫
    • 学会等名
      日本物理学会2012年秋季大会
    • 発表場所
      横浜国立大学・神奈川
    • 年月日
      20120919-20120919
  • [学会発表] 液中カシミール力の測定II2012

    • 著者名/発表者名
      市川真也,石川誠,乾徳夫,川勝英樹,佐々木成朗,三浦浩治
    • 学会等名
      日本物理学会第68回年次大会
    • 発表場所
      横浜国立大学・神奈川
    • 年月日
      20120918-20120918
  • [学会発表] 浮かせてまさつを減らす-量子浮揚の可能性を探る-2012

    • 著者名/発表者名
      乾 徳夫
    • 学会等名
      市民講座「やさしい表面科学」
    • 発表場所
      名城大学 名駅サテライト・名古屋
    • 年月日
      20120728-20120728
    • 招待講演
  • [備考] AIP's Physics New Highlights;April 18, 2012

    • URL

      http://www.aip.org/aip/research/PNH-4-18-2012.html

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公開日: 2014-07-24  

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