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2010 年度 実績報告書

金融資産日中取引時間間隔と取引量の分布の研究とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 22560059
研究機関筑波大学

研究代表者

岸本 一男  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (90136127)

キーワード日中株価変動 / ティックデータ / マルコフ過程 / 板の変動 / 日経平均先物 / フラクタル / パレート分布 / ゼータ分布
研究概要

初年度の主要な目標は,取引時間間隔と取引高の分布の検証,並びに,申請者が以前に提案している,日中取引モデルへのその応用であった.特に,以前のモデルでは,注文がポアソン到着し,一回の注文量が常に1単位であるとの仮定を置いており,この問題をより現実に近づけることが,時間間隔と取引高の精緻化の1つの理由だった.
日中取引モデルについては,基本的な出発点として,モデルが必然的に持つことが示される「板の変動軌跡が一次のマルコフ過程に従う」という帰無仮説を,当初論文とは異なる方法で検証し,その事実が成立することを確認した.これはモデルを出発点として選ぶことの妥当性を保証するよい結果である.
次に,板の上下変動での強い負の相関を,従来の定性的扱いから,現実に定量的に妥当であるか否かを解析した.その結果,従来モデルでは,ビッド・アスク・バウンスの問題を考慮してもなお,板の上下変動に現実の変動はモデルで説明される結果より若干弱いことが判明した.
この問題が,時間間隔の分布,一回の取引高の分布を精緻化することで解決されるというのが最もよいシナリオである.一回の取引の取引高の影響が特に重要であると考えて,色々の分布で,分布そのものの適合度並びにモデルの当てはまりで検証をした.負の二項分布とゼータ分布の2つが候補として残った.ただ,ここで「きりのよい数」での取引が多いというノイズの扱いが予期せぬ困難を発見した.その取扱いの取り込み方が未解決で残っている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Testing whether the Nikkei225 best bid/ask price path follows the first order discrete Markov chain-an approach in terms of the total "$\rho$-variation"2010

    • 著者名/発表者名
      Li, M., Kishimoto, K.
    • 雑誌名

      JSIAM Letters

      巻: 2 ページ: 103-106

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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