研究の主な成果は以下の3つである。 1. 錐線形計画問題に対する Facial Reduction Algorithm (FRA) の理論を整備した。今まで知られていた錐拡張法と FRA が互いに双対の関係にあることを明らかにした。数値実験などもおこなった。主要部分は Journal of Optimization Theory and Application に査読付き論文として発表された。 2. 現在までに知られている Polynomial Optimization Problem (POP) の Semidefinite Programming (SDP) 緩和に関して、行列縮小の方法と FRA との関連を明らかにした。一部が Journal of Operations Research Society of Japan に査読付き論文として発表された。 3.SDP緩和問題は許容解が無いのに、それを(通常のソルバーで)解くとPOPの最適値が得られる例がかなりある。これはある意味、頑健性を通り越し、 self-correcting property とでも呼ぶべき奇妙な性質である。この現象をみつけ、またその理由をある程度解き明かし、また、この性質を用いた新しい POP の SDP 緩和法を提案した。この結果の一部は Computational Optimization and Applications に査読付き論文として発表され、また、一部が 2013 年に行なわれた国際会議 ICCOPT 2013 にて発表された。
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