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2010 年度 実績報告書

示量性状態量に着目した機能性材料デバイスに対する有限要素解析手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22560063
研究機関岐阜大学

研究代表者

永井 学志  岐阜大学, 工学部, 准教授 (90334359)

キーワード有限要素法 / 3次元デジタル画像 / 電気機械的挙動 / 複合材料 / 弾塑性
研究概要

本年度は,予定していた2つのサブテーマ(a.機能性材料デバイスの解析に適した構成則モデルの開発,b.一般形状の六面体辺要素の調査)に加えて,c.複合材料計算の高速化を実施した.以下にそれぞれの知見を述べる.
a. 強誘電体に対する弾塑性型の構成則モデルがすでにいくつか提案されているので,これらを「一般化応力」と「一般化ひずみ」の視点から整理し数式展開した.これをリターンマッピングの非線形解法アルゴリズムにまで落とし込んだが,有限要素解析コードへの実装とその検証は次年度への持ち越しとなった.また,単結晶の強誘電材料に対する亀裂進展実験の研究論文が見つかったため,物性物理学の分野でよく用いられているランダウ型の疑似自由エネルギ密度を構成則モデルに流用して,数値計算での再現を試みたが,最終的な分極方向の再現性が良くないことを確認した.そもそも実験自体が難しく数少ないことも加味しなければならないが,やはり数値計算のためには弾塑性型の構成則モデリングが必要であるとの再認識に至った.
b. 強誘電体の数値解析において都合が良いベクトルポテンシャル型の有限要素定式化では,辺・節点混合型の要素を用いる必要がある.汎用性や非圧縮材料への適用性を考えると六面体1次辺要素も使用できるほうが望ましいが,パッチテストを通さないことが知られている.電磁気学や応用数学の文献を調査した結果,2次元問題であれば,四辺形1次辺要素については次数低減積分によりパッチテストを通すことがわかったが,3次元問題については未解決問題であることもわかった.そこで,次年度では,直方体形状に限定して1次辺要素をボクセル有限要素によるメッシュレス解析とする方向性で検討する予定である.
c. 機能性材料は複合化されてより好ましい性質を発揮することが多い.このとき平均化物性が重要となるが,その計算予測では大規模計算が必要となるので,その研究も行った.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Mechanical characteristics of a thermo-responsive two-way shape change polymeric laminate2010

    • 著者名/発表者名
      H.Tamagawa, K.Kikuchi, G.Nagai
    • 雑誌名

      Sensors and Actuators A

      巻: 163 ページ: 356-362

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 硬化セメントペーストの圧縮強度評価に対する非線形ボクセル有限要素解法とその適用可能性2010

    • 著者名/発表者名
      永井学志, 池田翔太, 胡桃澤清文
    • 雑誌名

      日本計算工学会論文集

      巻: 20100012 ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 弾塑性論に基づく強誘電体の構成則モデリング2010

    • 著者名/発表者名
      岩田明大, 永井学志
    • 雑誌名

      計算工学講演会論文集

      巻: 15 ページ: 831-834

  • [学会発表] ボクセル有限要素法による複合材料の応力計算のGPU高速化2011

    • 著者名/発表者名
      永井学志, 高井陽介
    • 学会等名
      日本応用数理学会環瀬戸内応用数理研究部会第14回シンポジウム
    • 発表場所
      岡山理科大学
    • 年月日
      2011-01-22
  • [学会発表] 弾塑性論に基づく強誘電体の構成則モデリング2010

    • 著者名/発表者名
      岩田明大, 永井学志
    • 学会等名
      M&M2010材料力学カンファレンス,日本機械学会
    • 発表場所
      長岡技術科学大学
    • 年月日
      2010-10-10

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公開日: 2012-07-19  

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