研究課題
本研究では,加工食品の安全性と顧客の安心感を確保するため,パッキングを軸とした製造システム及び供給連鎖ネットワークを対象として,組合せ最適化モデルの構築とアルゴリズムの設計を行って来た.最終年度となった本年度の研究実績はつぎのようにまとめられる.第一に,二部グラフ列によって表現されたネットワーク最適化問題に対して,その定数倍近似可能性を証明した.後に,この精度保証は6から3に改良できることが分かった.これまで,このネットワーク最適化問題の供給連鎖ネットワークへの対応づけを明示して来なかったが,今後は積極的に行っていく.第二に,保管システムのスケジューリング問題に対して,これまでにネットワーク・アルゴリズムを適用したヒューリスティックを設計していたが,そのタイトなインスタンスを発見した.この問題には関連する膨大な数の文献があって,精度保証の観点からは提案手法が最良のものとは言えないが,最悪ケース解析によってシンプルなアルゴリズムの限界を理解することが出来た.第三に,袋詰めにおける食品の選択問題に対しては,誤差パラメータによって合計重量の最適値からのずれを制御する近似アルゴリズムを設計した.理論的な精度保証を導くだけでなく,計算実験によってもその高い近似性能を観察した.第一と第三の成果は査読つき論文誌に発表することが出来た.さらに,直接的な研究成果ではないが,生産システムの専門家を講師に招き,大学院生を中心の聴講者とするミニ研究集会を開催することも出来た.18世紀の小麦製粉プロセスや19世紀の畜肉解体プロセスなど,興味深い話題に触れることが出来た.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing
巻: 7 ページ: 233-243
10.1299/jamdsm.7.233
Journal of the Operations Research Society of Japan
巻: 55 ページ: 181-191