研究課題/領域番号 |
22560074
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 公一 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70296317)
|
研究分担者 |
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
田邊 裕治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60143020)
大森 豪 新潟大学, 超域学術院, 教授 (70283009)
|
キーワード | 生体力学 / 膝関節 / 関節軟骨 / 接触 / 膝蓋骨 / 生体内測定 / 応力解析 |
研究概要 |
本課題の目的は、1.健常者と膝OA患者を対象に、2方向および1方向X線画像と、CTまたはMRIから構築した3次元骨形状モデルとのイメージマッチングにより、立位と日常動作時の下肢アライメント(大腿骨と脛骨の3次元相対位置)を測定する。2.軟骨同士の接触領域を評価するとともに、静的および動的関節アライメントと作用荷重から接触応力解析〓行うための力学モデルを構築する。3.臨床的見地から膝OAの発生と進行過程、ならびにより効果的な治療法について検討を行うことである。 平成23年度においては、米国ハーバード大学医学部生体工学研究室にて研究を行った(平成23年4月~平成23年7月)。2方向連続X線で荷重下における膝深屈曲運動(膝屈曲角0度から150度)を撮影し、大腿骨、脛骨および膝蓋骨の輪郭を抽出した。そこにMRIから作成したおいた大腿骨、脛骨および膝蓋骨の3次元形状モデルの投影像の輪郭を重ね合わせることで、膝関節の3次元運動データを得た。このデータに基づいて膝深屈曲に伴う軟骨の変形挙動と膝蓋腱の長さ変化を解析した。軟骨の変形挙動結果に基づいて有限要素解析を行ない、膝蓋大腿関節の軟骨に発生する接触応力と大腿四頭筋と膝蓋腱に作用する力を算出した。生理的荷重下における膝関節深屈曲運動の生体内測定結果から関節軟骨の接触応力と、大腿四頭筋と膝蓋腱に作用する力を求めた研究は従来報告されていないので本研究の意義は非常に大きい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに日常動作時(生理的荷重下)における下肢関節運動データから軟骨接触状態を詳細に測定することができた。加えて、有限要素法による接触応力解析により、関節作用荷重と接触応力の関係を記述できる力学モデルの構築について着手できた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画に従って健常者とOA患者における荷重伝達機構の比較について検討を進めていく予定である。
|