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2011 年度 実績報告書

自動車側面衝突時の子ども乗員の保護

研究課題

研究課題/領域番号 22560077
研究機関名古屋大学

研究代表者

水野 幸治  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80335075)

研究分担者 田中 英一  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00111831)
キーワード交通事故 / 生物・生体工学 / 生体力学
研究概要

チャイルドシート使用中の子ども乗員の自動車側面衝突事故では,子どもの頭部がドアに衝突し,重篤な傷害を受ける頻度が高い.現在,子どもの側突事故時の傷害防止のためにISOや国連ではチャイルドシートの側面衝突試験法が検討されている.しかし,これらの試験では頭部への衝撃負荷が小さく,頭部傷害が評価できない.本研究は側突事故時の子どもの頭部傷害の要因を明確にすることを目的としており,申請者らが考える仮説(側突事故時の子どもの頭部傷害の要因はチャイルドシートの誤使用と子どもの初期姿勢による)を子どもの衝突ダミーと人体モデルを用いた有限要素解析,およびダミーを使った台車実験によって明らかにする.
本年度は米国の事故データにもとづく代表的な事故形態をもとに,車対車衝突実験を実施した.前突車を衝突角度45度にて側突車後席ドアに対して衝突させた.後席衝突側に着座させた子どもダミーは,頭部がシェルから外に飛び出し,頭部がサイドウィンドウガラスおよびドアシルに衝突した.その結果,頭部傷害値は基準値である700を超え,子どもが側突時に重篤な傷害を受ける危険性が示された.
実車試験のQ3sの挙動を再現するためのスレッド試験の試験条件を得た.インパクトドアをCRSに衝突させる方式とし,スレッドの斜め方向速度成分が,側突車の横方向速度とおおよそ一致するようにスレッド速度を与えた.さらに,側突車のロール運動,ダミー足部でのドア侵入を反映させた.これらの結果,子どもダミーの頭部,体幹,下肢の挙動は実車試験と同様となった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は,実際の側突事故において子どもの頭部がチャイルドシートのシェルから外に出て,客室内に衝突して重篤な傷害を受けるメカニズムを明らかにすることにある.実車実験とスレッド試験によって子ども乗員の挙動に影響を及ぼすのは,前方・横方向成分を含めた車両速度の時間変化,およびCRSとドアの接触位置であることが明確となった.

今後の研究の推進方策

実車実験とスレッド試験によって,側突事故において子どもの頭部がどのようにチャイルドシートのシェルから外に出て,客室内に衝突するかを示すことができた.今後,シミュレーションや台上試験によって,チャイルドシートのミスユースや子どもの初期姿勢がどのように頭部軌跡や傷害に影響を及ぼすかを明らかにする.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Head Injury Mechanisms of a Child Occupant in a Child Restraint System Based on Side Oblique Impact Tests2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, R., Nomura, M., Okada, H., Mizuno, K., Yonezawa, H.
    • 雑誌名

      Stapp Car Crash Journal

      巻: 55 ページ: 117-139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 側面衝突試験によるCRS子ども乗員の頭部挙動とスレッド試験による再現2011

    • 著者名/発表者名
      吉田良一, 岡田宏, 野邑満教, 横橋松人, 藤居睦代, 水野幸治, 田中良知, 細川成之
    • 雑誌名

      自動車技術会論文集

      巻: 42(6) ページ: 1335-1340

    • 査読あり
  • [学会発表] Identification of Head Injury Mechanisms of a Child Occupant in a Child restraint System Based on Side Impact Tests2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, R., Okada,H., Mitsunori N., Yokohashi, M., Fujii, C., Mizuno, K.
    • 学会等名
      22nd International Technical Conference on the Enhanced-Safety of Vehicles
    • 発表場所
      Washington D.C.(US)
    • 年月日
      20110613-20110616
  • [学会発表] 側面衝突の子ども乗員の台車試験による再現方法2011

    • 著者名/発表者名
      崔英愛, 平林智子, 水野幸治, 田中英一, 吉田良一
    • 学会等名
      日本機械学会第22回バイオフロンティア講演会
    • 発表場所
      アストプラザ(三重県)
    • 年月日
      2011-10-07
  • [図書] 自動車の衝突安全2012

    • 著者名/発表者名
      水野幸治(単著)
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      名古屋大学出版会

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公開日: 2013-06-26  

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