研究概要 |
事故データでは側面衝突時の子ども乗員は頭部が客室内と衝突して,重篤な傷害を受ける場合が多い.しかし,この頭部運動の要因は不明であり,チャイルドシートの法規試験にも考慮されていない.そこで,有限要素解析と実験により頭部衝突の要因を検討した.人体FE有限要素モデルを用いた斜め側突シミュレーションを実施した結果,CRSショルダーハーネスにスラックを与えると,頭部とドアの衝突が発生し,頭部傷害値は閾値に達する大きな値となった.これらから,側突事故における頭部とドアとの衝突は,法規試験では考慮されないCRSのミスユースが要因の一つとなっている可能性が示された.さらに,実車実験を行ったところ,子どもの頭部がCRSから外に出て側面ガラス・ドアと衝突し,大きな頭部傷害値となり,重篤な傷害を受けうることが実証された.
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