研究課題
24年度の研究実施計画は以下の3項目であった.(1) これまでに S45C調質材および6Al-4V Ti合金に切削摩擦加工を行いその効果を実証できた.これら は比較的強度の高い材料であるので,次の段階として比較的軟質な材料に対して切削摩擦加工の効果を確かめる.(2) 切削摩擦加工チップを保持する治具の改良を行い,特別な旋盤でなくても装着可能となるようにする.(3) 切削摩擦加工技術を公表するために論文発表を行う.以上3項目について実績を報告する,(1)についてはS45C焼きなまし材にCNC旋盤を用いた摩擦加工を行い,表面の組織変化及び疲労強度向上について調査を行い得られた結果は以下のとおりである.摩擦加工材の最表面から約10μmにおいて500nm程度の微細結晶粒が生成され,最表面の硬さは素材の3.9倍(654Hv)に向上した.このことと,圧縮の残留応力の影響で摩擦加工材の疲労限度は未加工材と比較して約46%向上した.このように比較的やわらかい材料においても疲労強度の大幅な改善があることを確かめた.これにより摩擦加工が適応できる金属の幅が広がった.(2)についてコイルばねを用いない摩擦加工治具を考案製作した.この治具を用いてS45C調質材に摩擦加工を行った結果,これまの治具とほとんど変わらない表面加工が可能でることが分かった.(3)口頭発表3件,論文は執筆中である.10月25日福岡マリンメッセで行われた「ものづくりフェア2012」に協賛して行われた九州沖縄地区国立高専新技術マッチングフェア2012において,関連特許を紹介した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of the Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
巻: Vol. 20, ページ: pp.514-519
Transaction of The Built Environment (WIT)
巻: Vol. 124 ページ: pp. 95-106