研究概要 |
本研究では,研磨メカニズムに関してこれまでに多くの報告がなされている単結晶シリコンウエハに対して,その表面に砥粒として作用するシリカ,炭酸バリウムおよび硫酸バリウムが接触するモデルを構築し,計算を行った.計算モデルを以下に示す. 単結晶シリコンは(100)面とし,表面から5層シリコンを配置した.また,5層目のシリコンの内部側は水素終端とした.次にシリカ砥粒はO-Si-03原子分子として,Si原子が単結晶シリコン側になるよう配置した.そして,Si原子と単結晶シリコン間の距離を,0:接触位置,-r:接触位置から共有結合半径だけ単結品シリコン側に近づけた位置,+r:接触位置から共有結合半径だけ単結品シリコン側に近づけた位置の3種類で計算を行った.一方,炭酸バリウムと硫酸バリウムは化学量論組成で対称性のある分子モデルを作製するのは困難である.そこで,本研究はBa-O2腺子分子を砥粒と想定して,Ba原子が単結晶シリコン側になるよう配置した.そして,そして,Ba原子と単結品シリコン間の距離を,0:接触位置,-r:接触位置から共有結合半径だけ単結品シリコン側に近づけた位置,+r:接触位置から共有結合半径だけ単結品シリコン側に近づけた位置の3種類で計算を行った。計算結果を以下に示す. 砥粒を配置していないSi(100)の電子密度分布(等値面)をみるとSi原子間に電子密度の高い領域がみられる.O-Si-Oを配置した場合の電子密度分布(等値面)をみると,O-Si-0を-r位置に配置することによりSi原子と単結晶シリコン表面のSi原子との間に電子密度の高い領域が出貌する.しかしながら単結晶シリコン内部のSi原子間電子密度に大きな変化はみられない,一方Ba-Oを配置した場合の電子密度分布(等値面)をみると,Ba-Oを-r位置に配置することによりSi原子と単結晶シリコン表面のSi原子との間に電子密度の高い領域が出現するとともに単結晶シリコンの最表面と2層目のSi原子間で電子密度の減少がみられた
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