研究概要 |
平成22年度は,研削屑の吸引を確かめる実験において,ディスク幅15mmの内,中央5mmではほぼ100%の捕捉率となった.しかし全体としては80%程度の捕捉率となり,アクリル製走行板の裏側から高速ビデオカメラで撮影した結果から,吸引力がディスク円周方向に集中し,軸方向には広がらない事がわかった. 平成23年度は,研削屑吸引のための負圧発生を,従来の外部装置(吸引装置)ではなく圧縮空気の流れを利用して加工点近傍で負圧を発生させる機構の開発を行った.この利点は無駄な動力損失がないこと,ミスト状加工液の供給と併設できること,応答性が良い事がある.アルミ合金で試作した吸引機構付きディスクと空気供給ポートを組合せ,吸引の実験を行った.負圧を発生させるノズルの形状を様々に工夫し,加工点近傍に装着すること,また多数のノズルか必要なことから最適なディスクを製作した.試作したディスクを使用して実験を行った結果,90%程度の捕捉率が得られ,従来の外部吸引装置よりも優れていることが分かった. 平成24年度は様々な条件での吸引試験を行うとともに,セグメント形式の砥石を試作し,実際の吸引研削加工を行う.また加工物の温度上昇,加工屑の観察,仕上げ面粗さの測定により,ミスト状加工液の効果も調べる.
|